約 1,746,332 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1304.html
前ページ次ページゼロの使い魔・ブルー編 ささやかな、とは言われていたが。 そのパーティは終わりに瀕している国で開かれている物とは思えぬほど、華やかな物であった。 いや、終わりだからこそ、華やかなのかも知れないが。 玉座に座っていた王、ジェームズ一世が立ち上がろうとしてよろける。 そこら中から失笑が漏れる。 「陛下!お倒れになられるのはまだ早いですぞ!」 「そうですとも!明日まではお立ちになって貰わねば我々が困る!」 「あいや各々がた、少し足が痺れただけじゃ」 ウェールズに支えられながら立ち、ジェームズ一世は言う。 彼がよろよろと姿勢を正すと、ホール中の人間もそれに習う。 「諸君、忠勇たる臣下の諸君に告げる。いよいよ明日、 このニューカッスルの城に立てこもった我ら王軍に、 反乱軍『レコン・キスタ』の総攻撃が行われる。この無能な王に、諸君らはよく戦い、従ってくれた。 しかしながら、明日の戦いはこれはもう、戦いではない……。 恐らく一方的な虐殺となるであろう。朕は忠勇な諸君らが傷つき、斃れるのを見るに忍びない。 従って、朕は諸君らに暇を与える。長年、よくぞこの王に付き従ってくれた。厚く礼を述べるぞ。 明日の朝、巡洋艦『イーグル』号が、女子供を乗せてここを離れる。 諸君らも、この艦に乗り、この忌まわしき大陸を離れるが良い」 沈黙していたその場に、誰かは解らぬが、大きな声が響く。 「陛下、陛下!我らがお待ちしているのは 突撃せよと、敵を討ち果たせと、この命をかけるに相応しき号令でございます! はて、酒のせいか、我々はそれ以外の言葉が聞こえぬほど酔っておるようでしてな!」 その声に、黙り込んでいた者も続く。 「そうですぞ陛下!今の言葉、私には訳のわからぬ呟きにしか聞こえませんでしたぞ!」 「耄碌するには、少々早いですぞ!」 ジェームズはその言葉に涙しそうになるが、手でそれをぬぐい、杖を掲げると叫ぶ。 「よかろう、しからば、この王に続くがよい! さて、諸君!今日は良き日だ!共に歌い、飲み、踊ろうではないか!」 喧噪に包まれる場ではあった。 彼らは陽気に話し合い、食べて、踊り、笑っていた。 だが、彼らが死に直面していると考えると、それらは悲壮感を帯びる。 それなのでルイズは、明るく話しかけてきたり、料理を勧めたり、 冗談を言ってくる彼らを見ていることが出来ず、その場を逃げるように去った。 皆がパーティに出ているためか、城の中はひっそりとしていた。 遠くからパーティの喧噪は聞こえてくるが、 それはルイズが今歩いている廊下の静けさを引き立たせているように思える。 はたと立ち止まり、窓から空を見上げる。重なった月。 美しいものなのかも知れないが、今のルイズにそのような感傷は浮かばなかった。 だが、聞こえてきた足音に振り返る。ギーシュだった。 「ギーシュ?」 「やあ、ルイズ。奇遇だね」 ルイズは再び月を見上げる。 視線を月に固定したまま、居るであろう視界の外のギーシュに話しかける。 「いやだわ……なんであの人達、死を選ぶの?解らない。 ウェールズ様も、姫様の気持ちを解っているはず。なのに……」 「『命より名を惜しめ』ってね」 ギーシュが返してきたが、視線は逸らさない。 「父上からよく言われている。ああいうことだろうね。 もっとも、彼らが守りたいのは名ではないようだが」 「解らないわよ」 ルイズは視線を動かす。ただ、何かに向けたのではなく俯いたのだが。 「解らないわよ……そんなこと。愛する人を捨ててまで守ることなの?」 「そうしてるから、そうなんだろうね」 ギーシュはルイズを見つめ直す。 泣いていることに気付いた。 「ルイズ……泣いているのかい?」 「……そうよ、悪い?」 取り敢えず最寄りの港に着いたブルー達は、ルイズ達を探していた。 しかし、何処を探しても見つからない。 一度集まって今後の行動を話し合う。 「もう先に行ったのかしら?」 「多分、そう」 キュルケが空を見上げて、欠伸をしてから言う。 「じゃあニューカッスルにいるのかしらね」 「そこにウェールズが居ると言う話だったな」 「じゃあ決まりね、行くとするわよ」 と、キュルケがタバサの方を見ると、竜の姿はなく、 犬っぽい何かがタバサの頭の上に乗っていた。 「あれ?タバサ、竜は?」 「目立つ」 「……じゃあ歩きね」 一行が立ち上がり、ニューカッスルへの路の方へ向く。 「ん……?またか」 「ダーリン?」 「また目が霞んだ。寝てないからか?」 「……そうね、寝てないのよねー」 一瞬何かが見えた気もしたのだが、 取り敢えずは、ブルーは先に進むことにした。 タバサ達もそれに続く。 「ルイズ、子爵に結婚を申し込まれたんだって?」 「え――?」 「子爵から聞いたんだ、明日結婚式を開くんだろう? 僕からも祝福させて貰うよ」 ルイズは今初めて聞く事実に驚いた。 確かに、あのときは肯定と取れなくもない返事をした気がするが…… 彼のことは憧れの対象だし、むしろそれは望むべき事のはずなのだが。 「まぁ、今日は早く寝たまえ。明日は大変な一日になりそうだからね」 「……解ったわ」 「僕も出席させて貰うよ。それでは、また明日会うとしよう」 ギーシュが立ち去っていく。 ルイズは、月を見上げる。 ウェールズの事や、アンリエッタのことや、明日死ぬであろう人達の事は―― 心の隅にはあったが、考えているのは別のことだった。 ワルド子爵。 子供の頃憧れて、今だその対象にある彼。 あの池の小舟から、自分を救い出して、抱き上げてくれる人。 だが、何かが引っかかるのだ。 何がだろう?よくわからないが、何かが引っかかるのだ。 そう、自分は、まだ――…… 「私は――……」 「ルイズ、僕のルイズ。こんな所にいたのかい?」 「……ワルド様」 「ルイズ、所で明日――」 「ギーシュから聞きました」 「そうか。受けて貰えるね?」 ルイズは答えない。 その様子を見てワルドは肯定と取ったのか、立ち去っていく。 ルイズは、月を見つめていた。 「……命をかける程のことなの……?」 「もう明るくなってきたわねー」 ルージュ達はまだ歩いていた。 何回か休憩を取っていたため、少々遅れたが、 少し長めの丘を越えるとニューカッスルの城が見え始めた。 「あれねー……って、通れそうにないわね……」 丘の上から見下ろすとよくわかったが、 ニューカッスルの城は幾万とも思えるの軍勢に囲まれていた。 『レコン・キスタ』だろう。 「確かニューカッスルには1000も兵がないという話だけど」 「そうね、ちょっとやりすぎな気もするけど……」 「近づけない」 「困ったわねー」 キュルケが腕を組んで考え込む。 ルージュは目をこすった。 「またか……?」 「少し休んだ方が良いわねー。 どのみち通れそうにないし」 「いや、これは―?」 「どうかしたの?」 目の前に広がる景色はニューカッスルの城と、それを囲む大軍であるはずである。 そのはずなのだが。 ルージュの目には、違うものが映る。 「子爵とギーシュが見えるよ」 「え?何で?」 「ルイズの視界かも知れない」 使い魔を頭に乗っけたままのタバサが呟く。 このままずっと歩いてきたというのに、余り疲れてるようには見えない。 見えないだけで疲れてるのかも知れないが。 「使い魔は主と感覚を共有する。 なら、見えてもおかしくない」 「だけど、今まではこんな事無かったよ?」 「何が見えるの?」 「……礼拝堂……かな、これは」 「では、式を始める」 ルイズは白い衣装に身を包んで、ワルドと共に並び、立っていた。 白い衣装はアルビオン王家から借り受けた、美しいものであった。 しかし、それを纏う者は無表情。 それは空虚じみたようにも、どこか達観したようにも、 何かを決心したようにも見える。 王子が詔を上げる。だが、ルイズは聞いていなかった。 「新婦?」 その声に、ルイズは反応した。しかし、何も解らない。 自分が何を躊躇っているのかも、何をすればいいのかも、何も解らない。 ワルドが話しかけてくる。 「緊張しているのかい?ルイズ。 まぁ初めての時は誰だって緊張するものだからね」 「まあこれは儀礼に過ぎぬが、それだけの意味はあるのだ。 では繰り返そう。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、 そして夫とすることを誓うか?」 どうやら、もう自らが誓いを立てる所まで来てたらしい。 それでも、ルイズは俯いて考えた。 ずっと考えていたら、だんだんと形になってきた。 「ルイズ、気分でも悪いのかい?」 いつの間にか、ワルドが此方の顔をのぞき込んでいた。 ルイズはそれに向き直ると、はっきりと言った。 「ワルド、わたしはあなたとは結婚できないわ」 ワルドはその言葉に固まり、ウェールズは困惑してルイズに聞き返す。 「新婦はこの結婚を望まぬのか?」 「そうです。大変に失礼なこととは成りますが、私はこの結婚を望みません」 「……子爵。残念だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続ける訳にはいかぬ」 固まっていたワルドが、気を取り直し、ルイズに語りかけてくる。 「ルイズ、緊張しているんだ……そうだろう?」 「違うわ」 「なら何故……そうか、彼かい?」 「え?」 「彼だ、君の使い魔の――」 「…………」 そうだ、考えていた。彼は、何故あそこで留まったのだろうか? キュルケも、彼と共に残った。あのゴーレム相手に、たった二人で。 死ぬのが怖くないのだろうか? この城のみんなも、何故自ら死にに行くのだろうか? それほどまでして、守ることなのだろうか? ウェールズ殿下は、アンリエッタ姫殿下の事を大切にしている。 なのに、彼女を置いて死にに行こうとしている。 彼らは、命を捨てる何かがあるのだろうか? ギーシュが言うには……そうできるのだから、あるのだろうと言うことだ。 ルイズはウェールズに向けていた目を動かし、横にいるワルドを見る。 彼は、自分のために命をかけてくれるのだろうか……? もしくは、ルイズ自身、彼のために自分さえ捨てることが出来るだろうか? 「彼も優秀なメイジかも知れないが、僕だって」 「そうじゃないのよ、そういう問題じゃ……って、今なんて?」 「いや、彼はメイジだろう?それも、僕より上の『風』の使い手の筈だ。 あれほど強力な雷は、並の――」 「何処で知ったの?彼は秘密にしてるはずよ」 ルイズは問い詰める。ワルドは、表情を固めさせる。 そして今度は歪める。悪意を持った表情に。 「まさか、こんな下らないことでね……」 「ワルド、あなた一体……」 「君を力ずくで連れて行くのは少々気が引けたのだが、こうなっては仕方がない……」 「一体どういう事だ!?子爵――」 近寄ってきたウェールズの腹に、ワルドは杖をめり込ませる。 そのま呪文を詠唱し、光を纏った杖でそのまま貫き、えぐり込ませた。 「な……貴様……」 ウェールズが倒れるのを確認してから、 ワルドは笑みを浮かべてルイズの方を向く。 「まぁ、幾らでも従えさせる方法はある。一緒に来て貰うよ、ルイズ――」 「ひ――」 ワルドが杖を再び振り上げ、呪文を詠唱する。 「『ライトニング・クラウド』」 雷光がルイズに向けて迸る。 だがそれは、途中で現れた人影に遮られる。 「……ワルキューレ?」 「なんだかよくわからないが……」 声のした方を振り返ると、今まで黙り込んでいたギーシュが、居た。 細剣を右手に、杖を左手に構えている。ワルキューレが一体傍らに立っている。 先ほどのと合わせて二体と言うことだろうか。 ギーシュは、いつもの芝居がかった様子は無いが、 むしろ普段より格好が付いた状態で言った。 「僕の友人に手を出させはしないよ」 前ページ次ページゼロの使い魔・ブルー編
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9199.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第六十五話「銀河に散った二つの星」 異次元超人巨大ヤプール 究極超獣ゼロキラーザウルス カプセル怪獣ウインダム カプセル怪獣ミクラス カプセル怪獣アギラ 登場 「キヤアアアアアァァァァァァァァッ!!」 ジャンボキングの亡骸を核として、数え切れないほどの侵略者、超獣の怨念と、ヤプールの象徴たる 血のような赤い雨、そして巨大ヤプールの精神そのものが混ざり合うことで完成した大怪物、その名は ゼロキラーザウルス! ウルトラ戦士抹殺用に作り上げた超獣Uキラーザウルスの生体情報に、ゼロたちへ 向けられる怨念を組み込んだことで変異を起こし、対ウルティメイトフォースゼロ用超獣として新たに生誕した、 「最強」を超越する「究極」の超獣だ! かつてヤプールがアナザースペースでウルティメイトフォースゼロを攻撃した際にも、 とっておきの切り札として投入された怪獣兵器である。そのおぞましい威容を目の当たりにした、 シティオブサウスゴータの外へと避難した人々は一様に恐れおののいた。 「な、何だ、あの怪獣は……。でかい……でかすぎるぞ!」 「巨人のゼロたちが、まるで子供みたいじゃないか!」 その言葉の通り、ゼロキラーザウルスはあまりに大きかった。その背の丈は、ゼロたちの倍近くもある。 ハルケギニアの人々は、ここまで巨大な生物は噂にも聞いたことがなかった。 通常の怪獣でも、恐ろしいほどの破壊を振りまくことはもう知っている。それならば、あれほどの 巨体からは如何なる威力が発揮されることか……。最早計り知れない。 この世のおしまいかと思われた、超獣大軍団を蹴散らしてからの、まさかのそれらをも上回る 大超獣の出現……。多くの人は、到底受け入れられない現実に心が折れかかっていた。 しかしその時、ギーシュが叫んだ。 「皆の衆、心配はいらない! ゼロたちは必ず勝つさ! 彼らはこれまで、如何なる絶望も打ち砕いた! 大きいだけの怪獣など、粉砕してくれるとも!」 ギーシュの絶対の信頼を置いた言葉は、人々の心に強く響いた。 「そうだ……ウルティメイトフォースは、どんなに恐ろしい敵にも負けなかった! 今回だって 勝ってくれるに決まってる!」 「彼らは絶対に、俺たちの未来を導いてくれるぜ!」 人々は思い出す。ウルティメイトフォースゼロの勇姿を。彼らの飾ってきた勝利を。 大円盤も、宇宙人連合の軍団も、ナックル星人の大部隊も、電脳魔神も、ヒッポリト星人と大怪獣たちも、 サイボーグ超人も、最後には打ち破って人類の明日を見せてくれた。今目の前にそびえ立つ邪悪も払ってくれるに違いない! 「がんばれー! ゼロー!」 「ウルティメイトフォースゼロ! 負けるなー!」 人々は勇者たちの勝利を信じ、精いっぱいの応援を送る。その声は、確かにウルティメイトフォースゼロに届いている。 『行くぜ、みんなッ!』 『はい!』『うむ!』『おうッ!』 見よ! ウルティメイトフォースゼロはこの状況にも少しもひるまずに、大超獣に一直線に 挑んでいくではないか! 人々は、彼らの熱い奮闘を信じて疑わなかった。 「キヤアアアアアァァァァァァァァッ!!」 しかしゼロキラーザウルスが刃つきの触手をひと振りすると――。 『うわあああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――ッ!!』 勇者四人は、一瞬にして蹴散らされた。 「えッ……!?」 衝撃的に過ぎる光景に、人々の応援の叫びは思わず停止してしまった。 しかもそれだけではない! 触手のひと振りは四人を紙屑か何かのように吹き飛ばすだけに 飽きたらず、ザンンッ!! とサウスゴータの大地を深々と切り裂いた! あまりの出来事に、一斉に絶句する人々。大いなる古都の土地は、半ばから真っ二つになっていた。 とても信じられないが、幻覚ではない。 地割れでも起きたのか……? いや、地割れではあんなに綺麗に割れる訳がない。しかし…… 実際にその目で見ても、人々は信じたくなかった。 まがりなりにも一個の生物が、大地を両断するなどという事実を……! 『くっ……! まだまだぁッ!』 弾き飛ばされた四人の内、グレンファイヤーがいち早く立ち上がって再びゼロキラーザウルスに 突っ込んでいく。胸のファイヤーコアと全身に炎をたぎらせた、彼の最大出力の状態だ。 が、ゼロキラーザウルスは扇状の腕を振るい、手の甲でグレンファイヤーを払いのける。 『ぐわあぁぁぁぁぁぁッ!』 ベチンッ、と軽く叩いただけで、グレンファイヤーは大きく吹っ飛んで地面に真っ逆さまになった。 パワーとタフネスなら誰にも負けない炎の戦士が……羽虫か何かのようだ……! 『グレンファイヤー! おのれ、よくもぉ!』 『はぁぁぁぁぁッ!』 ジャンボットとミラーナイトが地を蹴って、ジャンミサイルとシルバークロスを放った。 しかし刃つきの触手が伸び、ミサイルと光刃を一瞬で粉々に砕いた上に、ジャンボットたちも空中から叩き落とす。 『がっはぁッ!!』 触手はそれに飽きたらず、二人を真っ二つにしようと狙っている! 『させるかぁぁぁぁッ! おおおおぉぉぉぉぉぉぉッ!』 それを食い止めようと飛び出したのがウルトラマンゼロ! カラータイマーはとっくに点滅しているが、 ゼロツインソードDSを固く握り締め、消耗をものともしない勢いで触手の刃を受け止める。 ガガガガガッ! と激しく火花を散らしていたが……ゼロまでもが弾き飛ばされ、大地に沈んだ。 『うおあぁぁぁッ!!』 ゼロと才人、そしてデルフリンガーの絆の象徴の武器も……呆気なく破られてしまった……! 『愚か者どもめぇッ! この究極超獣の前には、貴様らの力など塵芥に等しいわぁッ!』 ゼロキラーザウルスの中からヤプールが傲然と豪語する。そしてゼロキラーザウルスが ゼロたち四人にとどめを刺そうとする……! 「グワアアアアアアア!」 「グアアアアアアアア!」 「キギョ――――――ウ!」 それを阻止しようとカプセル怪獣たちが立ち向かっていく。超巨大超獣と比べて幼獣のような彼らだが、勇気は満点だ。 『よ、よせ! 駄目だ、戻れぇッ!』 だがゼロは慌てて制止をかける。それも間に合わなかった。 『雑魚どもがッ! 目障りなんだよぉぉッ!』 ゼロキラーザウルスの触手が、カプセル怪獣たちも石ころか何かのように弾き飛ばした! たった一瞬の出来事だった。 「グワアアアアアアア!!」 「グアアアアアアアアッ!!」 「キギョ――――――ウ……!」 蹴散らされた三体は、あまりのダメージの深さに立ち上がることも出来ず、自動でカプセルに戻っていった……。 『ゼロキラーザウルス、やれぇいッ! 連中を消し飛ばせぇぇぇぇぇッ!』 「キヤアアアアアァァァァァァァァッ!!」 ヤプールの命令により、ゼロキラーザウルスの頭部から莫大な歪んだ光がほとばしる! 超絶破壊光線、ゼロキラービームが放たれた! 着弾したビームは、ゴガアアアァァァァァァァァンッ!! と耳をつんざく轟音とともに、 ハルケギニアの誰もが目にしたことのないきのこ雲を巻き起こす! 『うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――――!!』 壮絶な大爆発に呑まれるウルティメイトフォースゼロ! そしてきのこ雲が晴れると……人々は完全に言葉を失った。 シティオブサウスゴータの街が、土地が……そのままの意味で、半分消えてなくなっていた! 残ったのは、ぽっかりと開いたクレーターだけだ! こんな光景、誰一人として想像したことすらない! 『ぐッ……うぅぅ……!』 それでもゼロたち四人は健在……。 いや、果たしてこれが健在と呼べるのであろうか……? 四人ともが等しく身体に無事なところがなく、 立つどころか身を起こすだけで精一杯であった……。 「キヤアアアアアァァァァァァァァッ!!」 対してゼロキラーザウルスは全くの無傷! わずかでも消耗した様子すらない! その上で、無情にも 死にかけているゼロたちの息の根を完全に止めようとしている! 「――やらせない! ゼロたちを……才人をやらせなんてしないわ!」 そこに立ち上がったのは、ルイズだ! 一人、避難民の中から脱け出し、杖を握り締めて半壊した街の側に立つ。 ここまで彼女は、自身の『虚無』の魔力を温存していた。ヤプールは恐ろしい相手だ。 万が一の時のために……と、戦闘中は使用をこらえて、ひたすら感情を高めて魔力を蓄えていた。 そしてそれは正解であったようだ。 「私の一番の武器で……ゼロたちを、トリステインを、ハルケギニアを救ってみせるッ!」 世界を救う使命に強く燃えるルイズの魔力は、最高潮に達していた。その魔力量は、タルブの時と同等であるほどだ! 朗々と呪文を唱え上げて――最も得意とする、究極の攻撃呪文を発動する! 「『爆発』!!」 カッ――! 再び、大地に太陽の輝きが生じる! その輝きは完全にゼロキラーザウルスの巨体を覆い、 壮絶な爆発の中に閉じ込める。 その爆発は、まさしくタルブの時の再来であった。 「あれは、タルブの時の奇跡の光!」 「我らの勝利の光だぁッ!」 トリステインの人々は、『虚無』の爆発がタルブ戦で勝利をもたらした輝きだと理解し、歓喜に打ち震えた。 あの輝きは今一度、人間の勝利を授けてくれると、固く信じている。 「ルイズ……!」 アンリエッタはルイズの働きに感動し、感謝の念を胸に抱いた。 『効かぁぁぁんッ! 効かんわぁぁぁぁぁぁッ!!』 ――光が収まり、再び姿を現したゼロキラーザウルスは、依然として全くの無傷であった。 ルイズは、杖を取り落とした。 「う、嘘……」 誰しもが、これは夢を見ているのではないか、と錯覚した。 不完全でもアントラーに致命傷を負わせ、キングジョーとブラックキングの大軍団をも一撃で滅した 『爆発』ですら……ゼロキラーザウルスには微塵も通用していなかったのだ! 『馬鹿な人間どもがぁッ! 貴様らの明日など、最早どこにもありはしないのだぁぁぁ――――――ッ!』 「キヤアアアアアァァァァァァァァッ!!」 ゼロキラーザウルスの無数のトゲが発射され、ゼロたちに迫る。トゲミサイルだ。 『ぐぅッ……!』 ゼロとミラーナイトがウルトラゼロディフェンサーとディフェンスミラーを重ね合わせた ディフェンスミラーゼロを展開。ジャンボットとグレンファイヤーも支えて防御を固めたが…… トゲミサイルは協力バリアを易々と粉砕した。 『ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』 四人が爆発の嵐にもてあそばれ、転げ回る。 惨劇! 最早そうとしか言いようがない……。これはもう戦いとは呼べない。一方的な蹂躙…… 処刑の有り様であった! 「もう、もうやめてくれぇッ!」 誰かが現実を直視できずに目を背け、叫んでいた。その気持ちは、全員が同じであった。 先ほどまでは確かに存在していた、ゼロたちが、才人が灯した希望は……もうひとかけらも残っていなかった。 彼らの心の支えすら、ゼロキラーザウルスの圧倒的な暴力は蹂躙してしまったのだ。 人々の心が……闇に囚われようとしている。 「どうして!? どうしてなのッ!? 何でこんなことになってしまったの!? わたしたちが何をしたというの!?」 誰かが忍び寄る闇に耐え切れず、泣き崩れた。誰しもがそうしたいところであった。 人々の努力を、奮闘を軽く叩き潰す、絶望的なまでの理不尽。人々はゼロキラーザウルスから その理不尽を感じている。 しかしヤプールは、そんな人間たちの心情も嘲笑する。 『どこまでも愚かな生き物どもよ。この究極超獣を生み出したのは、我ら闇の化身の怨念だけではない。 貴様らの心からも生じたのだッ!』 人々は、その意味が理解できなかった。自分たちの心が、あんな化け物を作り出した? そんな馬鹿な! しかしそれは、紛れもない真実なのである。 『我らヤプールは、貴様らの争いを求める心、目先の欲に走る心、薄っぺらな虚栄を得ようとする心、 全ての醜い心から発生するマイナスエネルギーによって生きる。我らが作り出す超獣もまた、貴様らの 醜さを食って強くなった。名誉などという言葉だけの空虚な幻影を欲し、同胞同士でひたすらに殺し合う 貴様らが、終末を招く無敵の超獣の親なのだぁぁッ!!』 ヤプール人は負の心の具現化。人間の醜さの象徴だ。延々と繰り広げられた貴族と平民の確執、 目先の富と欲に溺れる姿勢、命の奪い合いの意味をろくに考えないで争いをやめない暴力性が、 巡り巡ってゼロキラーザウルスという終わりを作り出すものを産んだ。 また、人間たちの心の暗闇こそが、世界を終わらせる。世界の守り神であり、人間を信じた ウルティメイトフォースゼロという希望を、人間自身が殺す。そういう意味での『ゼロキラー』でもあるのだ……。 「そ、そんな……」 「他ならぬ俺たちが、破滅の原因だったなんて……」 ヤプールの突きつけた残酷な真実に、人間たちは今度こそ打ちのめされた。皆がもう希望を 見出すことが出来ない。いや、知らず知らずの内に、自分たちで壊してしまっていたのだ……。 「わ、わたくし……わたくしは……」 こんな時にこそ心の支えとなるべきアンリエッタまでも……絶望に呑まれていた。何を隠そう、 アルビオンへの侵攻を推し進めたのが彼女だ。自分があんなことを言い出さなければ…… まさかこんなことになってしまうなんて……。今の彼女の心にあるのは、後悔の念だけだ。 「あ……あぁ……」 ルイズも、絶対の絶望に沈んでいた。彼女が輝かしいと信じた「貴族の名誉」は…… 真逆の暗闇だった……。ルイズの光も、暗闇に覆い隠されてしまった……。 『ウルティメイトフォースゼロッ! 貴様らは貴様らの愛した人間の暴力によって死ぬッ! 恨むなら、醜い人間どもを信じた己らを恨むんだなぁッ! グハハハハハハハッ! グハハハハハハハハハハハハ―――――――――ッ!!』 いよいよゼロキラーザウルスがゼロたちの命を終わらせる……! その次は人間、そして世界そのものだ……! 今日が、世界の終わりだ……。 『――そいつは違うぜ……』 その終わりに、この状況に至っても、ノーを突きつける者が一人。 ウルトラマンゼロだ。満身創痍、全身がボロボロになってもなお立ち上がる。 だがひたすらに諦めないゼロを、ヤプールは嗤うばかり。 『まだ立ち上がるというのか? 全て無駄なのだよッ! 今の貴様のどこに、逆転の芽がある!? そんなものは全て摘み取ってやったわぁッ!』 かつて出現したゼロキラーザウルス。それもゼロたちの攻撃をことごとくはね返し、彼らをギリギリまで追い詰めた。 それは、ゼロキラーザウルスがゼロたちに向けられた怨念の結晶だからだ。ゼロたちがどんな攻撃をしようとも、 底なしの恨みから無尽蔵に生じる負のエネルギーが必ず攻撃の威力を上回ったので、ゼロキラーザウルスは ゼロたちに対して無敵だったのだ。 だがウルティメイトフォースゼロは勝った。それは、四人の絆、心の光を一つに合わせ、相乗効果で 一層強めた光を纏った体当たりで、底なしの怨念を打ち砕いて浄化したからである。負の闇で生まれた怪物は、 心の光で照らすことが出来る。 が、しかし……今の四人は、先の超獣軍団を倒すために、体力を消耗し切っていた。もうあの時と同じ、 四人の合体攻撃はとても出来ない。ゼロたちは、ヤプールの罠に完璧に嵌まっていたのだ。 ――それでも、ゼロにはたった一つだけ、究極の闇を消す手段があった! 『見せてやるぜ、ヤプール……! 俺の光はぁッ! テメェなんかにッ! 絶対に消されないってことをなぁッ!!』 気合い一閃。ゼロはまっすぐ上に飛び立ち、ウルティメイトブレスレットを展開して本来の銀色の鎧の形にした。 その鎧、ウルティメイトイージスを装着したゼロの姿は――人々の目に、神々しい輝きを焼きつけた。 「あ、あの姿は……」 降臨、ウルティメイトゼロ。 それはアナザースペースの人たちの心の光が生み出した、まさしく希望の光。宇宙のどこからでも駆けつけ、 闇を追い払う力を持った、究極の光輝だ。 しかしゼロキラーザウルスという闇は、その光すらも呑み込んでしまいそうだ。 『何かと思えば、貴様も底抜けの愚か者だなぁ、ゼロッ! その威力もゼロキラーザウルスには 通用せんこと、忘れたのかッ!』 そう、ウルティメイトゼロの力までもが、ゼロキラーザウルスには届かなかった。その怨念は、 一人の力では祓いがたいほどに大きくなっているのだ。 だが、ゼロが行うことは――攻撃ではないのだ。 『これからすること、俺はちっとも恐れてなんかいない。だが、才人……お前まで巻き込んで しまわなければならないこと、それだけが心残りだ』 ゼロはヤプールの嘲りには構わず、己の中の才人に呼びかけていた。 それに才人は、達観したような声音で応える。 『大丈夫だよ、ゼロ。怖くない訳じゃないけど……嫌って訳じゃない。むしろ嬉しい気持ちさ』 『本当か?』 『ああ。ただの高校生だった俺が、この絶望をひっくり返して世界を救うんだぜ? こんなにすごいことはないよ』 それからひと言、こう語った。 『ルイズが言った、守るための名誉。今なら分かる気がする』 『そうだな。――行くぜッ!』 ゼロは飛び出す。右腕の剣を前に突き出し、一直線に――ゼロキラーザウルスへ目掛けて! 『何ッ!?』 まっすぐ突っ込んでくるとは思っていなかったヤプールは、反応が遅れた。その一瞬が勝負を決する! 『おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉあぁッ!!』 銀色の鋭い弾丸と化したゼロは、ゼロキラーザウルスの体表を突き破って体内に潜り込んだ! そしてカラータイマーより、自身の光の「全て」を解放する! 『うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!』 『な、何をする!? まさか……やめろぉぉぉ―――――――――!!』 焦るヤプール。しかしもう遅い。ゼロキラーザウルスの肉体から、溢れるように光が漏れていく。 何が起こっているのか? 『ま、まさか……!』 『ゼロ、やめて下さい! そんなことをしたら、あなたがッ!』 『ゼロぉぉぉぉ――――――――――!!』 ジャンボット、ミラーナイト、グレンファイヤーが気づいて叫んだが、ゼロは止まらない。 ウルトラゼロレクター。怨念の闇をかき消す浄化技だ。しかしゼロキラーザウルスのそれは あまりに莫大すぎて、普通にやってはまるで通用しない。 そのためゼロはウルティメイトイージスを展開し、その上で最大出力を超えた、限界突破の光を 相手の体内から解き放って、この絶大なる邪悪を消し去ろうとしているのだ。 ……自身の「命」までも光に変換して。 『ぐッ、がぁッ! ぬああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――!!』 「キヤアアアアアァァァァァァァァッ!!」 二つの邪悪が断末魔を残し――。 二つの星の輝きが、闇を破裂させた。 その時、人々も直感で理解した。ゼロは……命と引き換えに、自分たちを救ってくれたのだということを。 『おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!! ウルトラマンがああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!』 光によって破裂したゼロキラーザウルスの残骸から、巨大ヤプールの怨霊が立ち上って怨嗟の声を上げた。 その怨嗟も、直に光によって消されるであろう。 それまでの間に、ヤプールはミラーナイトたちへ向けて言い放った。 『こ、これで勝ったつもりか!? 馬鹿めがッ! この星には俺の他にも、邪悪がまだ潜んでいるというのにッ!』 『何ッ!?』 驚愕するミラーナイトたち。彼らは、M78ワールドからハルケギニアに侵入した巨悪が ヤプールのことだと信じて疑っていなかった。 『俺はその悪の波動に導かれて、この星を発見しただけだ! 貴様らが遠からず、姿の見えない邪悪に 滅ぼされるのが見えるようだわ! クハハハハハハハッ!』 負け惜しみを込めた呪いの言葉を、ヤプールは遺す。 『破滅の未来で待っているッ!!』 そして、光がヤプールの怨霊を消滅させていく。 二つの星の輝きも――ヤプールを消し去ったすぐ後に……消え失せた。 『なッ……あッ……ゼロ……』 『ぜ、ゼロ……』 『うあああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――! ゼロぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――――――――!!』 三人の仲間が名を呼んだが……それに応じるべき者は、いなくなっていた。 「……はい。ヤプールの敗北、この目でしかと確認しました」 シティオブサウスゴータを一望する山の頂上で、一人の女性が人形に向かって話しかけていた。 クロムウェルの秘書であったシェフィールドだ。 こんなところで、一人で何をやっているのか? 『そうか。余のミューズ、これまでご苦労だった。褒美をとらそう』 人形からは人の声がする。人形に見せかけた、通信機の役割を果たす魔法の道具なのだ。 「もったいなきお言葉です、陛下……」 そしてその声を聞いたシェフィールドは、うっとりと陶酔しているようだった。 シェフィールドは、本当にクロムウェルの秘書だった訳ではない。実はクロムウェルは元々、 今の彼女の話し相手に祭り上げられたお飾りの皇帝で、人形の声の主がシェフィールドを通して アルビオンを操っていた。アルビオンがヤプールたちの巣窟とされてからは、人形の声の主は 彼らの存在にいたく興味を示し、その動向をシェフィールド越しに観察し楽しんでいたのだ。 『外世界からの侵略者たちも、手を変え品を変えウルトラマンという巨人たちを苦しめ、 なかなかに楽しかった。しかしそれももうおしまいか』 残念そうな口ぶりだが、実際には惜しむ色は全くなかった。玩具が壊れたので違うのを買おう、 そんな感じのひと言であった。 あろうことかヤプールの行いを間近から観察し、彼らを玩具同然に見なすこの者は、一体何者なのだ? どんな力を有しているというのか? 『これからは余自身でゲームの盤を動かすとしよう。余のミューズ、お前にはもっと働いてもらわねばならなくなる。心してくれ』 「元よりそのつもりでございます、我が陛下!」 ヤプールという巨悪を打ち倒したばかりだというのに……新たな暗雲は、遠くないところまで来ているようであった。 激戦の影響により、更地同然となってしまったサウスゴータ。その中を、ルイズが一人ヨロヨロと歩いていた。 「ぜ、ゼロ……どこへ行っちゃったの? 敵を倒したのなら、いつものように、私たちの前に姿を見せてよ……」 ルイズは真っ青な表情で、一人ブツブツとつぶやいていた。誰にも問いかけは届いていないが、 現実を受け止められない気持ちが問いかけという形で表れているのだ。 「ゼロ……サイトをどこへ連れていっちゃったの? こんな時に、冗談はやめてよ……。 どこかに隠れてるだけなんでしょ? 私が意地悪なことばっかり言ってたから……からかってるだけなんでしょ……?」 そんな訳がないということ、ルイズは理解していた。しかし感情が認めていなかった。 ゼロが戻ってこないということ、それはつまり、一心同体の才人も……。 「サイト……サイト……。 サイトぉぉぉぉぉ――――――――――――――――――――!!」 ルイズの呼び声は――朝焼けに染まりつつある、何もない焦土に虚しく響くだけだった。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/magicalgirlwar/pages/75.html
重要ファクター サイト召喚 虚無の魔法 戦争 デルフリンガー 777ゼロ魔 エルフが作った可能性が高いデルフリンガーは6千年も生きているし (エルフが作った可能性が高い理由は先住魔法で動いてるし、初代ガンダールヴがエルフなど) 150◆cw6NU9U4lA デルフリンガーはアルハザード時代に作られたインテリジェントデバイスって事に・・・ とか考えたけど無理だな 154シルバー デルフは結構超設定与えてもいいと自分も思ってますw 例えばゴルンノヴァと同じ魔族に近いものだとか、◆cw6NU9U4lAさんが言うようにブリミルやエルフが作ったインテリジェントデバイスにするとか。 ただ、魔族系剣にした場合、後でリナガウのギガスレ剣に対抗して虚無吸収とかやらせようと思った場合にかなりのキャパを持たさないといけないですね。 デバイスの場合、長年人間の相棒探してたりとかするんでそこの部分はフィットしますよね。ただデルフってそこまでメカメカしくないからロストロギア…、いやエンシェントデバイスなんて名付けても…、いやスイマセンホント… 4の4 822シルバー 4の4はそれぞれの国が管理してるんですよね? 823ゼロ魔 ええ、指輪と秘宝はそれぞれの王家(ロマリア)に伝えられています。 虚無の担い手もそれぞれの王家の血を引く者から目覚めます。(ロマリアはまだよく分かってない) ロマリアの指輪はちょっと前に現教皇の母親が盗んでしまいましたが今は教皇に戻ってます。 ただ、ロマリアの秘宝がまったく登場してないのでどんな物かわかってないんですよねー アルビオンの秘宝は国が滅んでしまった関係で現在はガリア王が持ってます 824シルバー あとすいませんが、4の4はいくつあってそれぞれがどこの国に何があるかを教えていただけませんか? 825ゼロ魔 四つの四は担い手、使い魔、ルビー、秘宝がそれぞれ四つずつで 使い魔はそれぞれの王家で召喚されるのが決まってると言われてないので現在の使い魔を書きます。 トリステイン王家は水のルビーと始祖の祈祷書、使い魔はガンダールブが登場 ロマリア皇国は火のルビー、秘宝は未登場、使い魔はヴィンダールヴ ガリア王国は土のルビーと始祖の香炉、使い魔はミョズニトニルン アルビオン王国は風のルビーと始祖のオルゴール、使い魔はまだ召喚されておらず、 記すことすら憚られるそうで名前も能力も分かりません。デルフリンガーは知っているみたいです。 ルーンは胸に刻まれるようです。デルフリンガーがそんなことを言ってました。 826シルバー 担い手は虚無の担い手でしょうか? あと説明を見ると虚無の担い手は王家の血筋でしか現れないってことなんでしょうか? ルイズって貴族なだけで王家とかでは無かったと記憶していますが… それ見ると4の4はかなり応用利きそうな気はするなぁ。 4属性ルビーなんかはキラキラとも…、はマズいか。自然界の王が竜神になっちゃってるから。グルグルでそれ系は地と空の腕輪、バナナムーンぐらいか? 827ゼロ魔 担い手は虚無の担い手のことです。 始祖ブリミルの血を受け継ぐ王族しか発現しません。ロマリアは触れられていませんので分かりません ルイズの祖先は王族なので王家の血を受け継いでいます。 ちょっぴり豆知識、みずの水のルビーと風のルビーを近づけると共鳴して虹色の光を振りまきます。 始祖ブリミル 713名無し 最初の虚無の使い手なのは間違いないでしょう。ブリミルは自分の魔法は“変わった系統”という認識で神が授けてくれたと思っています。(始祖の祈祷書にもそう記されていまし。) それとブリミルたちは自分達をマギ族とよんでいてブリミルは族長です。(全員系統魔法を使える) 715シルバー ブリミルは何年前の人物なのでしょうか? それによっては降魔戦争でミグミグ族やレイ=マグナスあたりと絡められそうですね。 716名無し 六千年前にハルケギニア(聖地)に降臨したそうですなので六千年前の人物です。 降魔戦争、スレイヤーズTRYと絡められるかな?ダーク・スターの召喚ゲートとゼロの使い魔の聖地が似てますね。 ブリミルたちは恐ろしい技術を持ったヴァリヤーグという 鎧を着たや歩兵や騎馬隊の大軍と戦っていたので赤銃の主人公が知っている物語?と絡められそうですね。 720シルバー ブリミルは具体的に何かやった人なんですか?ただ虚無の初代の使い手ってだけじゃなくて降魔戦争みたいにそれで何かと戦ったとか。 721名無し 具体的にはブリミルは六千年前に「聖地」と人間が呼ぶ場所に降臨し、虚無と4体の使い魔を駆使しエルフと戦ったと言われています。 その後、三人の子とひとりの弟子に王家を作らせ、自らの力と、始祖の指輪ならびに始祖の秘宝を分け与えた。 それがトリステイン、アルビオン、ガリア、ロマリアだそうです(弟子が建国したのがロマリア)。 今の所、これがブリミルのしたことですが、今後の展開で新たに分かるかもしれません 722シルバー 聖地は光の園やアナスタシアやアルハザードなどもニュアンスが似ていますね 後の四つの国は他作品の町などとあわせると良さそうですね。 そんなに重要なアイテムが伝承されてるなら一つはセイルーンでいいかも。 プラトー教の腕輪も始祖の指輪か秘宝あたりに組み込めそうですね。 気になったのは、ゼロ魔ではエルフは敵対する(していた?)存在なのですか? 降魔戦争では人間、ドラゴン、エルフ、ドワーフなどが協力して魔族と戦ったので引っかかりますね… 723名無し エルフに聖地をとられていて、取り戻したいんだけど力の差が大きすぎて昔何度も戦ったけど取り戻せないのが現状ですね。(すくなくとも数百年は戦ってない) エルフとしては六千年前に虚無でひどい目に遭っているので、虚無の力(エルフはシャイターンと呼んでいる)の復活を恐れていて聖地(エルフはシャイターンの門と呼んでいる)を知を持つものに触れてほしくなく、そっとしておきたいそうです。 「我らの世界を滅ぼしかけた力だ」とか「知を持つものが触れざる場所にしておきたいのだ。それでこそ世界の安全は保たれる」と言っているのでかなり広範囲だったようです。 実際“始祖の虚無”はこの世の理すら捻じ曲げるらしいですし 726-727シルバー この世の理すらねじ曲げる魔法…、グルグルとの共通点ですね。 聖地と門とエルフ…、知を持つものを遠ざけたい… クレアバイブルのある空間を聖地=ドラゴンズピークを守ってるってのはどうでしょう? それなら知を持つものを遠ざけたいの理由にもあてはまりますね。 スレイヤーズ本編でも人間以外のドラゴン、エルフ、ドワーフなんかは降魔戦争以降は友好関係で人間にはあまり関わってきませんし。メフィやテファの絡みなんかも出来そうですね。 ただ問題は、「虚無で痛い目にあったから始祖の末裔はヤダ!」と「魔族一緒に倒すべ!」という相反する歴史ですね。 降魔戦争でブリミルが放った虚無魔法に味方だったエルフの一部が巻き込まれた…とか?で、あわててミグミグ族が封印でエルフ救助 でエルフは ブリミル→味方なのに巻き込みやがって! ミグミグ→助けてくれてありがとう!あなたがたが行く聖地は守りますね! で聖地=アナスタシアなら無理やり繋げられなくもない。ただそうするとちょっと前の光の園との絡みも考えないと… 聖地関連まとめると アナスタシア=光の園(ミグミグ族、クイーン、メポミポなど在住) で狭間にある空間(クレアバイブル安置場)がエルフの聖地(異世界から光の園へはここからでないと行けないようにすればいい)のでこれの入り口のドラゴンズピークが門 更にミグミグ族が時折遊びに来るアラハビカ(魔境)(◆kmbxgHC1NYさん案)が麓にあるので矛盾しない。 さらになのはのアルハザードも=狭間の空間(すべての知識がある=クレアバイブル) 729名無し 伝承などで初代ガンダールブと思われる人物が人間とエルフの両方に伝わっているので大丈夫だと思いますよ。 初代ガンダールブはエルフでブリミルと「ヴァリヤーグ」という軍団と戦っていますし。 でも、聖地ははっきりしてないので今後の展開に注意が必要…… ちなみにエルフいわく、最近は聖地の活動が活発なので虚無が復活するのではと考えています。 伝承で4の4が揃うと始祖の虚無が復活するというのはエルフにも伝わってます。 ヴァリヤーグ 731シルバー ヴァリヤーグてのはどういったものかは判明していないんですか? 人なのか人外のモノなのか… 732ゼロ魔 鎧を着たや歩兵や騎馬隊の大軍でしたね。ブリミルは恐ろしい技術を持っていると言ってましたけどまだそれを使った描写はありません。 (777ゼロ魔)小説を読み直したら、ヴァリヤーグは人間でした。 733シルバー ゼロのまだ判明していない分は好きにクロスさせちゃってよさそうですね。 恐ろしい技術…、闇の書の前の主にしても良さそうですね。 ヴァリヤーグ あとはその辺を上手く降魔戦争に混ぜられればおkですね。 ガンダールヴ 709シルバー ガンダールヴは異世界から召喚された虚無の使い手の使い魔で手に刻まれたルーンの力で全ての武器を使いこなせる。過去にもガンダールヴはいた 710名無し ガンダールヴは“神の左手”や“神の盾”と言われ、 虚無の使い手(担い手と呼ばれたりする)の無防備になる魔法の詠唱中を守る為に居ます。 主人公の才人に使い魔としての契約をしたらガンダールヴのルーン(左手に刻まれます)が刻まれたためにガンダールヴと呼ばれています。能力はそのとおりで他に武器に触れるとルーンがひかり、身体能力の上昇武器に関する使い方や構造などを教えてくれます。(怒り、悲しみ、愛、喜び、など何でも良いので心の震えで強さが決まる) 最初のガンダールヴはエルフで契約で“勝手”に刻まれたものではなく、虚無の使い手(ブリミル、男)が自分でエルフ(名前はサーシャ)に刻んだものです。 ついでに言うと、ガンダールヴと言う言葉の意味は当時のブリミル達の旧い言葉で “魔法を操る小人”という意味だそうです。 712シルバー 魔術師と護衛。同じ虚無の魔法使いリナとガウリイも同じような関係ですね。 ルーンってなんでしょうか?使い魔の契約の証とかで他の動物の使い魔とかにも必ず刻まれるものなのですか? そしてガンダールヴのルーンのみこのような特殊効果を生み出すんでしょうか? 零戦に乗ってきたガンダールヴもいたはずだから歴史上数人いるようですね。 ガンダールヴは同時に複数存在もするのでしょうか? 713名無し ルーンは使い魔には必ず刻まれます。 普通の使い魔のルーンは言葉が操れるぐらいには知能が発達する効果があります。このために主人の命令をよく理解できます。あと視覚を共有する効果が確認されてます。 ガンダールヴは主がピンチのときに近くに居なかったら左目に主の視界が映ります。(他の虚無の使い魔はできるか確認されていません) 虚無の使い手のみ特別で使い魔のルーンには四種類あります。 ガンダールヴのみ確認されましたが、弱いながらも洗脳に近い効果があります。 あと他に記憶の共有する効果、ブリミルと初代ガンダールヴの記憶があるのではないかと言われています。 ゼロ戦に乗ってきたのはガンダールヴではありません。この世界には時々異世界の人間や武器が迷い込みます。 主に聖地の近くに多いので聖地になにかゲートのようなものがあるのではといわれています。 実際、エルフがシャイターンの門と言う物があります。 初代と主人公以外のガンダールヴは確認できていなく、複数存在についてはまったくふてられていないので 考えないほうがいいと思います。 またルーンは死ぬと消えます。(主人公のガンダールヴのルーンは心臓が止まったら消えた。) 4の4(使い魔・秘宝(始祖の○○、アニメ既出は祈祷書のみ)・王家の指輪(○のルビー)・担い手)が揃うと始祖の虚無が復活すると言われている 781シルバー 4人の使い魔のガンダールヴのサーシャ(女性かな?)以外の情報はわからないでしょうか? 782ゼロ魔 サーシャは女性です。過去の使い魔はサーシャ以外分かっていません。 785シルバー 後に3つの国を建国したブリミルの三人の子孫はサーシャとの子(てことはハーフエルフ?)なのでしょうか? 787名無し 子孫はまだわかってません。可能性はあるけど。 178◆cw6NU9U4lA 破壊の杖は原作通りロケットランチャーとするのでしょうか? ここも何かクロス出来そうですね。地球から来た兵器という事でなんかないかなと 180シルバー 代用は…、何かありますかね? それか、ガンダールヴの特殊効果で魔族にも効くように通常兵器に精神ダメージをプラス出来るとかにしてロケランなどはそのままで行きますかね? 182ゼロ魔 ガンダールヴは武器の性能を上げている可能性があるので大丈夫でしょう それに魔族と戦うにはそのくらいの効果が無いと役にたたなそうですからね 183シルバー じゃあ武器に特殊効果付加の能力底上げ方向でいいんですかね? トリステイン学院 65,77シルバー ゼロ魔さんはネギまのほう進んでいませんかね? 自分もネギま立ち読み程度何で深く言えませんがトリステイン学院とネギまの魔法世界上手く合わせられませんかね? 同じイギリスあたりがモデル(ハリーry)みたいですし、ユエ(ネギ)が今いるとこなんてもろかぶりかと 3話始める前に決めないとなかなか混ぜにくいかと思います。 ネギまもゼロ魔と同じく精霊魔法特化+αなので悪くないかとは思いますが。ゼロ魔さんどうでしょうか? 84ゼロ魔 スレイヤーズの魔法を完全に理解し切れてないので少し答えずらいんですよね まあ、精霊魔法特化+αで良いと思いますよ。物理的な効果と火水風土が合ってますし 85シルバー それはスレイヤーズの世界観で例えたところのゼロ魔とネギまの魔法系統の感じですね。 まだネギまは読んでおられないんでしょうか。混ぜられそうなら学院にネギま要素を追加したかったところなんですが アルビオン侵略、壊滅 749シルバー ゼロ魔で他国に侵略された町ありましたよね?(ハルケギニアだったかな?)あれサイラーグと合わせてはどうですかね? イベントもうまく合いそうな気がするんですが… 750名無し タルブですね。 751名無し ハルケギニアは街の名前じゃなくてゼロ魔の世界の大陸名ですね 752シルバー タルブ?初めて聞く名のような…。アルビオンてのも違いましたっけ? 753名無し アルビオンで合ってますよ。正確には神聖アルビオン共和国ですけど 754シルバー アルビオンがアンリエッタの国と戦争したんですよね? 755名無し そうです。 ゼロ魔流れ 765名無し サイト召還 ギーシュと決闘 デルフ入手 フーケの破壊の杖事件 お手紙の回収 才人、キュルケらと共に宝探し 才人、タブルの村で『竜の羽衣』を発見 神聖アルビオン軍、トリステインに宣戦布告 惚れ薬 アンリエッタ誘拐される アンリエッタの依頼で街の調査を開始。『魅惑の妖精』亭でバイトを始める 魔法学院で夏休みが始まる アンリエッタ、リッシュモンを粛清 夏休み終了。士官教育が始まる 才人、ルイズ、シエスタと共に帰省するため魔法学院を出発 ギーシュやマリコルヌら学生士官が約2ケ月の士官教育を終え、各軍に配属 ルイズ実家に連れ戻される 学院襲撃。ジャックコルベール死亡(原作では死なないらしいが…) サイト対七万 才人、ウエストウッド村で目覚める ジュリオ学院に。ルイズ、サモン・サーヴァントを唱える アニエス、ウエストウッド村で才人発見 ルイズとシエスタ、才人探し ティファニアと新手の虚無の使い魔登場 トリステインに帰国 才人、シュバリエに。騎士団できる 才人、タバサと戦う。キュルケとコルベール帰還 タバサ、エルフと戦い敗北アーハンブラ城に囚われる シルフィード、才人に助けを求める。才人ら助けるために行動開始。 牢に入れられたり、銃士隊に追撃されたり、タバサの実家に行ったり。 アーハンブラ城でエルフと対決辛くも撃退し、タバサと母親を救出 才人たち一行、ルイズの実家に向かう。母カリン様に襲撃される ティファニア、魔法学園に編入 ティファニア、正体を明かす 騎士団、お風呂を覗く シエスタ、才人の一日使用権を使う ロマリアへ、出発 聖堂騎士との戦闘 教皇と対面 才人、槍を手に入れる 教皇、世界扉を会得する ルイズ、教皇に才人を地球に返してもらうように頼む 才人、ルイズに眠らされる 才人、なぜだか過去に ルイズ、ティファニアに記憶を消してもらう ミョズニトニルン、ヨルムンガントで襲来 才人、タイガー戦車で参上。ミョズニトニルンを追い払う ルイズ、才人のことを思い出す 873ゼロ魔 宝探しや惚れ薬のイベントはどうしましょう? 戦闘が少ないし(と言うか無い)ので入れ難いですよね。 875シルバー 宝探しってどんな話でしたっけ?惚れ薬はタバサ関係の話ちょっとやっとかないと後々苦しいんじゃないかと思います。 ゼロ魔は戦闘シーン少ないとありますが、戦闘イベントのみに絞るとフーケ事件からアルビオン壊滅の間にいくつありますかね? サイラーグをアルビオンの1都市にすると言うことで滅亡のタイミングを合わせた方がいいと思うんですよ。 あとゼロ魔での早期にこなしておきたいのはデルフの入手とルイズの魔法バリエーションの増加。 前者はリナ達が学園に来る前に町で買った…みたいなセリフのみでも可能かと思います。その場合、ゼロ魔組初登場がその話だとすると説明口調が多くなりすぎるので3話に学園話を1話挟んだ方がいいと思われます。 ルイズに関しては、原作でも爆発以外には大して魔法を使えないそうですがどうしましょうか。リナに教わる…にしても原作を尊重してあまり他作品の魔法は使わない方がいいかとも思いますが… SRCの特性上ギャグイベントとか戦闘以外のイベントってなかなか盛り込みづらいですよね…。 882ゼロ魔 宝探しは、シエスタが大胆に誘う→シエスタとサイトがベットに倒れこむ→ルイズ目撃→サイト使い魔クビ→サイト学園の敷地の隅でテントを張り酒浸り→キュルケ見かねて宝探しに誘う→ハズレばっか→シエスタの故郷にお宝が→ゼロ戦発見 戦闘は フーケ事件 旅の途中で奇襲 ワルドとサイトの決闘 白い仮面とフーケ、傭兵の一隊が奇襲 空賊襲撃 ワルドと戦い こんな感じですね。ワルドとの決闘はいちお入れておきました。 空賊は戦闘は実は起こらなかったけどいちお入れておきました。 884シルバー 旅の途中で奇襲はちょっと置いといて、フーケ事件はリナ達が来園時に消化。ワルドとサイトの決闘か白仮面&フーケは泉でのカンヅェル戦に組み込めそうかな? もしくは泉後のオリハルコン像を狙わせてゼル達と手を組ませるor別の軍団として登場させるか…、かな? すみませんがフーケ事件以下のイベントをちょっと解説していただけませんか? では3話に学園話を入れる方向で行きましょう。 上手くやらないとルイズ・サイト以外のキャラが上手く出せないな… 885名無し ワルド登場でルイズ、サイトと共にアルビオンへ。ワルドがウェールズ殺害 →ルイズ、サイト脱出→シエスタの村でゼロ戦入手→日食の日にシエスタの村に新アルビオン軍進撃 →ゼロ戦で才人が駆けつける、竜軍団を蹴散らすもワルドに苦戦→ルイズが虚無に目覚めワルドあぼん→しかし才人は日食のタイミングをのがし、地球へは帰れず 895シルバー 解説ありがとうございます。 やはりゼロ戦かぁ、ゼロ戦は難しいな。でも世界の行き来が出きる前にやらないと意味が無いイベントだから異世界編でどうしてもやらなきゃいけないですね。 903ゼロ魔 イベントはいちお絞ってみたけど…… サイト召還 ギーシュと決闘 デルフ入手 フーケの破壊の杖事件 お手紙の回収 才人、キュルケらと共に宝探し 才人、タブルの村で『竜の羽衣』を発見 神聖アルビオン軍、トリステインに宣戦布告 惚れ薬 アンリエッタ誘拐される 学院襲撃。ジャックコルベール死亡(原作では死なないらしいが…) サイト対七万 才人、ウエストウッド村で目覚める ジュリオ学院に。ルイズ、サモン・サーヴァントを唱える アニエス、ウエストウッド村で才人発見 ルイズとシエスタ、才人探し ティファニアと新手の虚無の使い魔登場 トリステインに帰国 才人、シュバリエに。騎士団できる 才人、タバサと戦う。キュルケとコルベール帰還 タバサ、エルフと戦い敗北アーハンブラ城に囚われる シルフィード、才人に助けを求める。才人ら助けるために行動開始。 牢に入れられたり、銃士隊に追撃されたり、タバサの実家に行ったり。 アーハンブラ城でエルフと対決辛くも撃退し、タバサと母親を救出 才人たち一行、ルイズの実家に向かう。母カリン様に襲撃される ティファニア、魔法学園に編入 ティファニア、正体を明かす 騎士団、お風呂を覗く ロマリアへ、出発 聖堂騎士との戦闘 教皇と対面 才人、槍を手に入れる 教皇、世界扉を会得する ルイズ、教皇に才人を地球に返してもらうように頼む 才人、ルイズに眠らされる 才人、なぜだか過去に ルイズ、ティファニアに記憶を消してもらう ミョズニトニルン、ヨルムンガントで襲来 才人、タイガー戦車で参上。ミョズニトニルンを追い払う ルイズ、才人のことを思い出す あんまり減ってないですね……ごめんなさい 905シルバー うーんイベント沢山ありますね。というかアニメと前後が変わってたりしますね原作は。 まず、どこまでやるかを決めて線を引きましょうか。 この表の中でアルビオンが滅びるのってどのタイミングでしょうか? 907ゼロ魔 そうなんですよねー。しかも自分はアニメは全く見てないから把握してないんですよね。 アルビオン王国ならお手紙の回収で滅んじゃいますね。 ルイズの戦闘能力 809名無し ルイズって最初は魔法使えないと記憶してたけど、パワーアップとかは大丈夫なんですか? 811ゼロ魔 ルイズって最初、魔法を使おうとすると爆発しか起きなくて、その後、エクスプロージョンという爆発魔法を覚えるんだよな。 違いは詠唱時間の長さに比例して威力が増す事と、命中率が上がったことかな。 パワーアップって言えばパワーアップだけど 今現在ルイズが使える呪文は三つだけなんだよなー。 814名無し ルイズの魔法一覧には エクスプロージョン(短時間詠唱) エクスプロージョン(長時間詠唱) エクスプロージョン(MAP) とかすれば、リナと比べても遜色ないって事かな。 815シルバー 困ったときのリナ先生。ただ、リナのが年下だしリナは貴族とかそうゆうの気に入らなそうですよね… 876 874さん ルイズの魔法はしばらくはおあずけor小爆発程度でいいんじゃない? イベントで虚無に目覚めるまでは才人に頑張ってもらう
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/49545.html
登録日:2021/10/13 (水曜日) 23 52 10 更新日:2024/01/18 Thu 22 45 36 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 アニメ ゼロの使い魔 ライトノベル ライトノベル、ゼロの使い魔は異世界転移系ファンタジーとして根強い人気を持つ。 主人公平賀才人とヒロインルイズのラブコメは、当時『ツンデレ』という新語を世に知らしめる大きな力となった。 しかし、それらとは別にゼロ魔の人気を支え続けたのが、ファンタジー世界に異色な地球の道具たちである。 科学という言葉すら存在しないファンタジー世界に地球の戦車や戦闘機を持ち込んで、中世の軍隊やドラゴンと戦ったらどうなるかという、青少年たちが厨二心で夢想する光景を実現した本作の描写は大きな反響を呼び、ゼロ魔世界では度々地球の有名な兵器が活躍する描写が描かれた。 主人公の平賀才人はルイズの使い魔として得たガンダールヴの能力で、どんな武器でも瞬時に理解して扱うことができるために、彼が地球の武器を扱って戦うシーンはどれも名場面としてファンの語り草になっている。 しかし、科学レベルが中世並みのハルケギニアでは部品や弾薬などの補給はできないために、その活躍は限定的なものにならざるを得なかったが、それでも有名な戦車や戦闘機が異世界で活躍するという描写は世の少年たちの心を熱くさせた。 なお、なぜ地球からハルケギニアに武器や兵器が召喚されるのかは、過去に始祖ブリミルが「あらゆる武器を使いこなせる使い魔であるガンダールヴ」のために異世界からその当時の最強の武器を召喚するという魔法がまだ生きているためで、過去には刀剣や槍などが召喚されていた。 一方でアニメ版ではその設定がないため、エロ本や水着といった武器とは関係ないものも召喚されている。 ある意味ではもっとも強力な兵器と言えるかもしれないが 本項ではこれらゼロ魔世界を彩った兵器たちを登場順に紹介する。 【原作に登場した兵器】 破壊の杖(M72 LAW 対戦車ロケットランチャー) 1巻に登場した初の地球の兵器。 携帯型の使い捨てロケットランチャーで、通常は短い筒の形で収納されているが、使用時には縮められている砲身をシャコンと引き出して、敵に向かってぶっ放つ。 才人が召喚される30年ほど前に魔法学院の近くに転移してきてしまったアメリカ兵が所有していた。 状況と年数から考えると、恐らくベトナム戦争時のどこか。 たまたま居合わせたオスマン学院長を襲っていたワイバーンをこれで撃破するが、負傷した状態で転移してきてしまったのか、彼はそのまま介護のかいなく死亡してしまう。 オスマン学院長は命の恩人の彼への敬意を込めて、使用済みのものを彼とともに埋葬し、もう一本所有していたものを「破壊の杖」と名付けて保管していた。 しかし、破壊の杖というたいそうな名前から高価な品物と誤解した盗賊フーケに強奪され、紆余曲折あって才人がフーケのゴーレムを相手に使用することになる。 この時のゴーレムは才人たちの身長から推測して6、7メートルはある巨体だったが、粉々に粉砕された。 これによって、魔法の世界でも地球の技術が通用することが明らかになり、二次創作では様々なものに置き換えられて話が作られた。 前述通り、使い捨ての兵器であるため筒だけになった後はオスマン学院長に返還された。 竜の羽衣(零式艦上戦闘機) 3巻から登場。言わずと知れた日本人なら誰でも知っている代表的なWW2戦闘機。 アニメでは特徴から恐らく52型。原作では型式不明。 シエスタの曽祖父である佐々木海軍中尉が搭乗したままタルブ村の上空に迷い込み、燃料切れで不時着後に保管されていた。 保管のためにはタルブ村に根を下ろした佐々木中尉が働いて得た私財を使って「固定化」の魔法がかけられており、半世紀経った現代でも経年劣化は起こしていない。 村人には奇妙なものとしか認識されていなかったが、シエスタから話を聞いた才人によって発見された後は学院に移送される。 燃料切れの状態であったため、コルベール先生が石炭を錬金してガソリンを精製。数日でタル5つ分のガソリンを作ってもらい、これを使ってアルビオンの艦隊に立ち向かった。 アニメ版では一晩で大きめのタルで4つ分、タルの大きさから推測して約2000リットルを製作している。 ちなみに軽自動車のガソリン容量は約30ℓ以下、普通自動車でも約60ℓ以下であることを考えると、2000ℓのガソリンを手作りするというエネルギー事情を一変させかねないとんでもないことをサラっとやっている なお、零戦の燃料搭載量は増槽を別にしても550リットルほど。土のメイジが100人いたら空母機動部隊の燃料をまかなえてしまう。 アルビオンの竜騎士を相手にした空戦ではまさに無双状態。竜をはるかにしのぐ機動力と、7.7ミリと20ミリ機銃という武装の差で竜騎士をほぼ全滅に追い込んだ。 ただ、ガンダールヴの力は武器の使い方はわかってもコツはわからないため、特にアニメ版では才人は本職のパイロットなら絶対やらないであろう機銃の握りっぱなしをおこなって弾薬を無駄遣いしてしまったことが後に響くことになる。(零戦乗りたちは弾薬を節約するため、敵を撃つ一瞬しか銃撃しなかった) だがさすがに戦艦には機銃では通用せず窮地に陥ったが、ルイズが虚無の系統に目覚めたことによるエクスプロージョンの発動で難を逃れた。 以後は機銃弾の補充が不可能なため、移動や偵察のために使われた。 アニメ版では作画にメチャメチャ気合が入っており、コクピット内の精密な描写はミリオタも一見の価値あるものとなっている。 タイガー戦車 13巻から登場。こちらも言わずと知れた世界最強と呼ばれたWW2の重戦車。 作中では単にタイガー戦車としか呼ばれないが、挿絵を見る限りではキングタイガーのほう。 ロマリアの地下墓地に保管され、初めて『場違いな工芸品』としてジュリオから才人に、これはガンダールヴの使う『槍』であるから才人が使うべきものだとして与えられる。 しかし重量が半端ではないため、輸送するだけでもメイジ複数でやっとというドイツ軍も泣かされた欠点にいきなり苦しめられる。 実戦には才人ひとりでは扱えないため、コルベールとキュルケとタバサを乗員にして出撃。なお装填手はタバサ、無茶させんな。 相手どるのはガリア軍の新兵器である身長25メイルにもなるゴーレム「ヨルムンガント」(参考までに、ガンダムは17メートル) ヨルムンガントはそれまでにも迎え撃ったロマリア軍を壊滅させ、ルイズのエクスプロージョンも跳ね返すほどの装甲も持っていたが、そこは伝説のアハトアハトこと88ミリ砲の威力は別格で、距離2000ほどからも軽々と撃破していく。 このときに才人が発した言葉が、「地球なめんなファンタジー」である。 このシーンではヨルムンガントの放った砲弾を装甲ではじき返すシーンもあり、まさにタイガー戦車がかつて連合軍を相手に伝説を作り出した無敵神話の再現となっている。 ちなみにこちらも固定化の魔法で保護されているので経年劣化に蝕まれていない。それどころか、キングタイガーの弱点であった足回りの脆さによる故障率の高さも解消されているらしく、全速走行で戦場まで急行してそのまま大暴れという真似を可能にしている。 もし固定化が施されていなければ、戦場までの間で故障して使い物にならなくなった可能性も高いので、その点では「ファンタジーなめんな地球」でもある。 砲塔はその後に取り外されてオストラント号に搭載された。 原子力潜水艦 聖地の海底に沈んでいたロシアのものと思われる原潜。 かなりの時間放置されていたらしく朽ち果てていて、ミサイルも発射不能にこそなっていたが、核弾頭だけは無事だったことから……。 【アニメ版にのみ登場した兵器】 大いなる槍(アハト・アハト) アニメ3期最終回で登場。タイガー戦車の主砲である88ミリ砲のオリジナルである高射砲である。 タイガー戦車がアニメ版では登場しないので、その代替として登場。 残念ではあるが、戦車をアニメで動かすための労力はものすごく、後年にガールズ パンツァーでも相当な苦労の逸話があるくらいだから仕方がない。 原作同様にヨルムンガンドに向けて放ったが、ヨルムンガントを守っているカウンターの魔法が強力すぎて一発目は失敗。 二発目は仲間たちが足止めしているところにルイズのディスペルの魔法をかけることによって貫通に成功した。 F2戦闘機 アニメ4期最終回で登場。航空自衛隊の所有する主力戦闘機。 地球に送り返された才人が、エンシェントドラゴンの脅威にさらされているハルケギニアを救うために自衛隊基地から持ち出した。 だが、どんな手を使って持ち出したかは不明。少なくとも自衛隊基地に侵入して燃料兵装フル状態で発進可能な機体を強奪する(*1)なんて真似が人目に触れずにできるとは思い難く、日本中がひっくり返るような大事件になったのは想像に難くない。 そのため、その後地球に戻ってきた才人とルイズの行く末を心配する声がファンの間からあがっている。 経緯はともかく強奪後は日食を通ってハルケギニアに無事帰還。 対艦ミサイルを発射してエンシェントドラゴンに多大なダメージを与え、最後は才人が直前で脱出した上での自爆で致命傷を与えた上でのルイズのエクスプロージョンで倒した。 才人「次回、ゼロの使い魔・追記修正」 ルイズ「次回も私に会いたいなら、おとなしく待ってなさい」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 項目内でも触れられてるけど、ルイズの召喚と破壊の杖は置き換え二次創作には本当に打ってつけの設定だったなと見ていて思った。(大抵はクロス先キャラに所縁の重要アイテムが破壊の杖と置き換わる) -- 名無しさん (2021-10-14 05 47 30) 実際には使われてないとはいえ聖地にあったあれは書かれないのか… -- 名無しさん (2021-10-14 11 56 27) 何でアニメでタイガー戦車出なかったんだと思ったら、作画コストかー……。 -- 名無しさん (2021-10-14 16 33 35) フル装備のF2持ってかれた挙句にロスト…何人の首と金が飛んだ事やら -- 名無しさん (2021-10-14 18 34 50) 地球ナメんな。ファンタジー -- 名無しさん (2021-10-14 18 45 22) 固定化魔法便利すぎる -- 名無しさん (2021-10-14 20 12 56) ぶっちゃけゼロ魔f最終回、平賀家ヤバイ状況だと思う。 -- 名無しさん (2021-10-14 21 28 30) というより平賀家の設定不明だからな、パソコン好きの平凡な高校生ではあるんだろうけど -- 名無しさん (2021-10-15 07 53 37) ↑原作でも行方不明の息子を心配してるお母さんがいる事以外は謎だな -- 名無しさん (2021-10-15 19 23 06) ↑4固定化と練金はゼロ魔の二大チート魔法だって昔から言われてたからなあ -- 名無しさん (2021-10-27 10 40 33) どーでもいいけど、ハルケギニアの科学文明は描写見る限りでは中世じゃなく近世くらいのレベルはあると思うぞ。平民のシエスタが娯楽小説読んでることから見てたぶん活版印刷技術はあるし、眼鏡もあるし、懐中時計もあるし -- 名無しさん (2021-12-29 14 46 07) ガソリン高の現代にこそ錬金の魔法がほしい -- 名無しさん (2022-04-19 21 26 55) ロマリアの地下はガルパンの秋山殿が垂涎なほど世界各国の戦車博物館になってるんだろうな -- 名無しさん (2023-08-12 07 48 42) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9451.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第百五十六話「輝ける明日へ」 邪神ガタノゾーア 超古代尖兵怪獣ゾイガー 超古代怪獣ゴルザ(強化) 登場 ブリミルを初めとした、村の人間たちは黄金色に輝く巨大なティガ、グリッターティガを 見上げて、その神々しい立ち姿に唖然と目を奪われていた。しかし一番驚いているのは、 誰であろう、グリッターティガを生み出したブリミルであった。 「ち、ちょっとブリミル! あんた一体何したの!? ウルトラマンが大きくなって、全身 金ぴかになったわよ!」 サーシャが泡を食って尋ねかけても、自分の杖を見つめたまま首を振るだけだった。 「わ、分からないよ! ぼくにも分からない……。だけど、ぼくの杖から出た光がウルトラマンを あの姿に変えたのか? 今の光は……?」 そして才人もまた、今の己の身体を見下ろして驚愕していた。 『この姿は、六冊目の本の世界で変身したのと同じ……いや、今度は身体がでっかくなってる!』 トリステイン王立図書館での事件のことを思い出す才人。あの時、六冊目の世界で、自分と ゼロは七人のウルトラ戦士とともにグリッターヴァージョンとなった。ウルトラ戦士の光が 限界以上に達した時に変身することが出来る、究極の姿だ。 しかしそう簡単になれるものではない。本来なら何百人、何千人以上もの人間の光が集まる ことでようやく変身可能となるもの。しかし今は、明らかにブリミル一人の力でグリッター ティガとなった。いくら何でも、たった一人の人間の光で変身するとは、起こり得るもの だろうか。しかし現実にこうなっている。 「プオオォォォォ――――――――!!」 考え込んでいる才人だったが、ガタノゾーアの咆哮によって意識が現実に引き戻された。 『いや、今は戦いに集中するべきだな!』 ティガがぐっと腕を脇に引き締めると、カラータイマーを中心に光のエネルギーが集まる。 そして、 「ハァッ!」 ガタノゾーアへ拳を突き出す。ただのパンチにも関わらず、光がほとばしってガタノゾーアに 直撃した。 「プオオォォォォ――――――――!!」 その一撃によって、ガタノゾーアの巨体が軽々と吹っ飛ぶ! 「おぉぉッ!」 「すごい!」 ブリミルたちはグリッターティガの攻撃の威力に一斉に感嘆した。 「ハッ!」 続いてキックを繰り出すティガ。これも光が放たれ、ガタノゾーアの闇の衣を剥いで深い ダメージを与える。 「プオオォォォォ――――――――!!」 先ほどまでは全く攻撃が通用せずに一方的にいたぶられていたティガだったが、一転して まばゆい光が暗黒を照らし出していく! 『一気に決めてやる!』 相手が動けない内にティガは両腕を前にピンと伸ばし、左右に開いていく。ゼペリオン光線の 構えだ! 「ハッ!」 L字に組んだ腕から発射される、ゼペリオン光線を超えたグリッターゼペリオン光線が ガタノゾーアに直撃した! 「プオオォォォォ――――――――!!」 全身から火花が飛び散り、致命傷を負うガタノゾーア。しかしティガは完全に闇を祓うために、 最後の攻撃を行った。 「タァッ!!」 エネルギーを全てカラータイマーに集めて解き放つ、タイマーフラッシュスペシャル! 「プオオォォォォ――――――――……!!」 その光によってガタノゾーアは消滅していき、同時に闇も晴れて消え失せた。空は本来の、 澄んだ夜空に戻る。 「やったッ!」 「あの大怪獣をやっつけた!」 「俺たちは助かったんだ!」 ウルトラマンティガの勝利によって人々の心からは恐怖が完全に取り払われ、皆一斉に喜びに 沸き立った。サーシャとブリミルも笑顔となって、ティガへ大きく手を振る。 「ありがとう、ウルトラマン! 恩に着るわ!」 「本当にありがとう! そして、これからもぼくたちに力を貸してほしい! ぼくたちも、 必ずこの世界に平穏を取り戻してみせるから!」 未来への希望に溢れるブリミルたちの姿を見下ろした、まさにその時に、才人の視界が 急激に薄れていった……。 「はッ!?」 才人が気がつくと、目に飛び込んできた光景は夜空ではなく、薄暗い天井だった。 身体を起こすと、自分がベッドに寝かされていたことを知った。周りは板壁の薄暗い部屋。 見覚えはない。ロマリアの大聖堂でもないようだ。一体どうなっているのか。 「……まさか、今までのこと全部、夢だったのか? でも、随分生々しかったけど……」 「お目覚めかい?」 思わず独白すると、すぐ横から椅子に腰かけているジュリオに声を掛けられた。 「わ! お前、どうしてこんなところに! ……いや、今はそんなこといいか」 才人は己の記憶を手繰り寄せ、今一番に確かめなければいけないことをジュリオに問いかけた。 「ここはどこなんだ?」 「アクイレイアの街だよ」 「それって、教皇聖下の記念式典とかを行うっていう……。でも、どうして寝かして連れて きたんだ? 逃げ出すとでも思ったか?」 「いや、そうじゃない」 「まぁいい。それより、ガリアはどうした? やっぱり手を出してきやがったか?」 「たった今襲われてるところだよ」 「何だってぇ!?」 跳ね起きる才人。ジュリオは現況を説明する。 「ガリアから飛来した怪獣群が、我がロマリア連合皇国に攻めてきた。今現在、国境では 激しい戦闘が繰り広げられている」 「何だと? ギーシュはルイズは?」 「彼らは既に投入されたよ」 「こ、こうしちゃいられねぇじゃねぇか!」 才人はすぐにドアに取りついたが、鍵が掛かっていて開かなかった。 「おいジュリオ! 開けろ!」 「まぁ、そう焦るな。その前に、きみに確認を取らなければいけないことがある」 「何言ってんだよ! あいつらが戦ってるんだろ!」 「すぐ済むから聞けって。まず、きみを眠らせたのはルイズだ。彼女はきみを故郷に帰らせたと 話したが、この通りきみはまだここにいる。この戦いの後にそうするつもりだったのだろう。 その手段は……知らないけど、きみ自身の気持ちはどうなのかって思ってさ」 「俺の気持ち?」 「つまり……こういうことさ」 立ち上がったジュリオが鍵を外し、扉を開く。その先はごく普通の居間なのだが…… 一つだけ普通でないものが、才人を待ち受けていた。 「……」 キラキラ光る、鏡のような形をした物体。それは、ゲート。先ほどの六千年前の夢の中で目にしたばかりで あり、そうでなくても才人にとって忘れられないもの。このハルケギニアに来ることになったきっかけ、 何もかもの始まりである……。 「何でこれが……」 「ワールド・ドアです。あなたの世界と、こちらの世界をつなぐ魔法です。先日の担い手同士の 会合で、新たに目覚めました」 居間にはもう一人、ヴィットーリオがにこやかに微笑みながら才人に呼びかけてきた。 「ミス・ヴァリエールの意思だけでなく、あなたご自身が故郷へ帰られたいのならば、その ゲートに飛び込んで下さい」 「帰れる訳ないじゃないですか! ルイズが戦っているというのに!」 「そう答えを急がずに。あなたのためにも、わたしたちのためにも、この部分ははっきり させなければならないのです。特に危急時にこそ、人の本心が出るものです」 才人は頭ではルイズたちのところへ向かわなければいけないと思いながらも、ゲートから 見える光景に目を吸い寄せられていた。 何故ならその光景は、今となっては懐かしい、夢にまで見た自宅のものだったからだ。 台所には、今すぐにでも無事を報せたい母親の姿まである。 「ご安心を。向こうからは、こちらの様子は見えません。ゲートは一方通行ですから、くぐる ことも出来ません」 「けれど、聖下の精神力が持続なさるのも十数秒ほど。早く決断するんだ、兄弟」 目に飛び込むのは、日本にいたら至極当たり前の景色。しかし今の才人にとっては如何なる 場所よりも魅力的なもの。思わず一歩を踏み出した才人だったが……。 その足は、踏みとどまられた。 「俺の剣と“槍”はどこだ」 「いいのかい? もしかしたら、最後のチャンスになるかもしれないのに」 「同じことを言わせるな。俺の剣と“槍”はどこだ。俺は、ルイズたちを助けに行く」 今すぐに地球へ帰りたい気持ちがないと言えば嘘になる。しかし、そうしたら二度とここには 戻ってこられないかもしれない。そうなったら、この地で仲間たちと築いてきたものが全て『嘘』に なってしまうかもしれない……。故に才人は踏みとどまったのだ。 そして後ろに振り向いた才人は、背後を取っていたジュリオがほっとしたように拳銃を 下ろしたのに気がついた。 「勘違いするなよ。ぼくたちが必要とするのは、きみの左手に書かれた文字であって、決して きみじゃないということを」 「お前……」 ジュリオは珍しく真剣みを帯びた。 「おめでたい奴だな。異世界に戻ればルーンが消える? 生憎と、そこまでぼくたちの“絆”は 便利に出来ちゃいない。使い魔でなくなるルールは一つ、“死”だけだ。そうとも。ぼくたちは “必死”なんだ。そのためには、何だってやる。覚えておけ兄弟、ぼくたちの“拠り所”は“主人” じゃなきゃいけないんだ。そうじゃなかったら、絶対に聖地は奪回できない。次にまた姿を くらまそうものなら、今度こそ殺す。忘れるな」 才人は怒りに震えながら拳を握り締め、ジュリオに振りかぶった。ジュリオは笑みを浮かべた まま、避ける素振りも見せずに拳を受けた。派手に吹っ飛び、ドアにぶち当たる。 倒れたまま才人へ告げた。 「この建物を出た目の前に倉庫がある。そこにきみの“槍”が置いてあるよ」 すぐに飛び出していこうとした才人だったが、不意に立ち止まってヴィットーリオへ言った。 「聖下」 「何でしょう?」 「もう一回だけ、扉を開いて下さい。指一本くぐる程度の奴でいいんだ。そんぐらいは いいでしょう?」 「グガアアアア! ギャアアアアアアアア!」 ルイズたちは、瞬く間にゴルザによって蹴散らされて絶体絶命のまさに崖っぷちにまで 追いつめられていた。無理もない。ロマリアから貸し与えられた兵隊は全員、ゴルザの脅威に とっくに遁走し、残ったのは十数名程度の生身のオンディーヌだけ。それだけでは精神力の 限りに呪文を撃ち尽くしても、とても怪獣に敵うものではない。ルイズの“虚無”も、呪文を 唱える暇もなかった。 『うわあぁぁぁぁぁぁッ!』 『ぐわぁぁぁッ!』 ウルティメイトフォースゼロもまた、こちらを助けるどころか自身らが風前の灯火であった。 ウルトラマンゼロが石にされてしまい、ガタノゾーアが加わった怪獣軍団が圧倒的な戦闘力で 残る三人をねじ伏せたのだ。 ガタノゾーアが虎街道を突破してくるのも時間の問題。最早ルイズたちに勝ち目はないのだが……。 「ルイズ! 逃げろ!」 ゴルザの光線によって吹き飛ばされ、倒れたまま動けないギーシュが叫んだ。ルイズは ゴルザを目の前にしながら、杖を握り締めたまま逃げようとしないのだ。 「逃げられないわ、わたしだけは……! わたしが逃げ出したら……サイトにどう顔向け するっていうのよ……!」 ルイズは己に言い聞かせた。才人の意思を無視して彼を故郷へ送り帰す選択をした自分が、 彼が守ろうとしてくれたこの世界を見捨てることなど出来やしない。たとえここで散ることに なったとしても、最後まで戦うことをあきらめては……! 「グガアアアア! ギャアアアアアアアア!」 そうは思っても、足を振り上げて自分を踏み潰そうとしてくるゴルザの前に心が恐怖で 塗り潰されてしまい、杖を振る手も止まっていた。 わななくルイズは反射的に、もう叫ばないと決めた言葉を叫んでいた。 「サイト! 助けて!」 その刹那――ゴルザの支えとなっている足が、地面の下から突き出てきた鈍色の円錐の ようなものに突き上げられ、ゴルザの身体がバランスを崩して傾いた。 「グガアアアア!!」 派手に転倒するゴルザ。これによりルイズは踏み潰されずに済んだ。 「え……?」 驚愕するルイズの目の前に、円錐が地面の下から真の姿を晒す。それは才人がカタコンベで 見せらせ、コルベールたちの強力の下にアクイレイアまで移動させられたマグマライザーだ! そしてハルケギニア人の誰も操縦方法を知らないマグマライザーを走らせることの出来る 人間は、ただ一人しかルイズには思いつかなかった。 「サイトッ!!」 「全く、ほんと馬鹿だなあいつ……。あんな状況になったらとっとと逃げろよ」 マグマライザーのコックピットで、操縦桿を握る才人が毒づいた。彼がジュリオに言われた 通りに倉庫に向かうと、そこで待っていたのはこのマグマライザーと整備をしてくれたコルベールに タバサ、キュルケ。彼らからマグマライザーを預かると、地中を移動してまっすぐにこの虎街道に まで駆けつけたのだ。 そして起き上がるゴルザへレーザー光線を浴びせながら挑発。 「ほら、ノロマ野郎! 悔しかったら追いかけてこい!」 「グガアアアア! ギャアアアアアアアア!」 わざと背を向けて逃げると、転倒させられたゴルザは憤って追跡してきた。才人の狙い通りに、 ルイズたちから引き離す。この間にオンディーヌがルイズを救出して退避していった。 安堵する才人だったが、表情はすぐに苦渋に染まる。 「思ってたよりずっと悪い状況だぜ……。まさかゼロが石にされてるなんて……」 虎街道で待ち受けていたのは、あのガタノゾーア。他にも怪獣が数体。この状況をマグマ ライザー一機で覆すことなど出来るのだろうか。 「けど、やるしかねぇッ!」 決意を固めてマグマライザーのアクセルを全開にする才人。 だが、その決意を粉砕するような攻撃が上空から降ってきた。 「ピアァ――――ッ!」 一体のゾイガーの光弾だった。それがマグマライザーの正面の地面を穿ち、マグマライザーの タイヤがその穴に嵌まって停止してしまう。 「しまった!」 地底戦車のマグマライザーでも、すぐに地中に潜行することは出来ない。その隙を突いた ゴルザの光線が直撃してしまう! 「うわぁぁッ!!」 たちまちに爆破炎上するマグマライザー! 「サイトぉぉぉぉぉ―――――――――――ッ!?」 絶叫するルイズ。その才人は爆発にこそ巻き込まれなかったものの、あっという間に火災に 取り囲まれてしまう。文字通り進退窮まる大ピンチだ。 「くッ……! せっかく故郷に帰るのもフイにしてここまで来たんだ! こんなあっさりと 死んでたまるかぁッ!」 それでも才人の心にあきらめはなかった。上着で火の手を可能な限り振り払いながら、 ハッチへ向かって脱出しようとする。 「俺はぁぁぁぁぁッ! 絶対にあきらめないッ!!」 想いの限りに叫んだ、その時――急に、懐から温かい光が漏れ出し始めた。 「えッ!? こ、この光って、まさか……!?」 まさか、と思いながらも、懐からその『光』を引っ張り出す。 手の中にあるのは、スティック型の変身アイテム……スパークレンス! 「な、何で!?」 疑問に思いながらもほぼ無意識の内に、才人はスパークレンスを天高く掲げた。 翼型のレリーフが開き、光が溢れる! 「グガアアアア! ギャアアアアアアアア!」 ゴルザは炎上するマグマライザーを完全に破壊しようとにじり寄っていく。ゾイガーも 空から接近し、内部の才人の息の根を確実に止めようとしていた。 「やめなさいッ! そんなことは、絶対させないわ!!」 ルイズは杖を先ほどよりもずっと強く握り締め、とにかく“爆発”を起こして怪獣たちを 阻止しようとしたが……その視界に、いきなり光が溢れた。 「きゃッ!?」 「うわぁッ! 何だ!?」 思わず顔を覆うルイズたち。 その間に……光り輝く手刀が、ゴルザの胸を深々とかすめ切って致命傷を負わせた。 「グガアアアア……!?」 不意打ちに対処できずにグラリと倒れるゴルザ。更に光溢れる光線が、ゾイガーも貫いて 爆散させる。 「ピアァ――――ッ!!」 一挙に二体の仲間が撃破され、ガタノゾーアたち怪獣軍団がさすがに動きを止めた。 そしてミラーナイトたちは、マグマライザーから飛び出した『巨人』を見やる。 『あ、あれは!?』 銀色のボディに、赤と紫の模様と胸部を覆うプロテクター、そしてその中心に青く輝く カラータイマーを持った、紛れもないウルトラマン! ウルトラマンティガが大地に立っていた! 「おぉぉッ!? あれはウルトラマン! ゼロ以外のウルトラマンが!」 「この状況で新たなウルトラマン!? 奇跡だぁーッ!」 「どうかぼくたちを、ゼロたちを助けてやってくれぇッ!」 ティガの姿を認めたオンディーヌはわっと歓声を発した。しかしルイズだけは、ティガの 立ち姿をしげしげとながめ、ぽつりと小さくつぶやいた。 「サイト……!」 「――タァッ!」 ティガはまっすぐに峡谷へ飛び込み、谷底に着地すると同時にガタノゾーアへタイマー フラッシュを放つ。 「プオオォォォォ――――――――!!」 渾身のフラッシュが一瞬闇を照らし出して、ガタノゾーアの目をくらませた。その隙に ティガは、額のクリスタルからエネルギーを照射。石像にされたゼロのビームランプから 光を分け与えた。 『――はぁッ!』 たちまちの内に石化が解け、ウルトラマンゼロは復活して立ち上がった! 「やったぁぁぁ―――――! ゼロがよみがえったぞぉぉぉぉぉッ!!」 谷底を見下ろしたオンディーヌの歓声が強まった。ゼロはティガに振り返って驚愕。 『ウルトラマンティガ!? どうしてここに……』 聞きかけたが、その顔をよく確かめて、更に目を見張った。 『才人なのか……!』 ティガはゆっくりとうなずき、ガタノゾーアへと構えながら向き直る。 「プオオォォォォ――――――――!!」 ガタノゾーアの方も持ち直して、ティガとゼロへ対して触手を揺らめかせている。ゾイガーの 群れの方は、ティガの乱入によって持ち直したミラーナイトたちが食い止めてくれていた。 ゼロもティガに合わせて、宇宙拳法の構えを取る。 『よぉーしッ! 一緒にあいつをぶっ倒そうぜぇッ!』 ティガとゼロ、二人の光の戦士が強大なる暗黒の化身へと立ち向かっていく! 「プオオォォォォ――――――――!!」 ガタノゾーアは触手を伸ばしてティガとゼロを迎え撃つが、ティガが素早くそれを両手 チョップで弾き返す。 「ハッ!」 「セェアッ!」 そこにゼロがエメリウムスラッシュを撃ち込み、触手をガタノゾーアの方へ押し返した。 「プオオォォォォ――――――――!!」 しかしガタノゾーアの触手は無数にある。それが一辺に迫ってくる! 「ハァァッ!」 だがゼロは動じずにゼロスラッガーを投擲。渦を描くように回転しながら飛ぶスラッガーは 触手を斬りつけながら押しのける。 「ヂャッ!」 開かれた触手の中央にティガがティガスライサーを繰り出した。更にゼロがウルトラゼロ ランスを投げ飛ばす。 「セェェェアッ!」 二人の刃と槍が闇を切り裂きながら飛んでいき、ガタノゾーアをかすめて裂傷を入れる。 「プオオォォォォ――――――――!!」 初めてまともなダメージを食らったガタノゾーアが悲鳴のような咆哮を発した。 「す、すごい! さっきとは比べものにならない勢いだ!」 「あの怪物を押してるぞ!」 「何て連携の良さだ! 息ぴったりだよ!」 ギーシュたちはティガとゼロの奮闘ぶりに感嘆。一人事情を知るルイズは、ぐっと拳を握った。 「プオオォォォォ――――――――!!」 ガタノゾーアがティガたちを纏めて始末しようと石化光線を発射してきたが、ティガと ゼロは即座にジャンプして回避。そのまま空中で停止してガタノゾーアを見下ろす。 互いにアイコンタクトを取ってうなずき合うと、それぞれ腕をまっすぐ横に伸ばして 必殺光線の構えを取った。 「タァーッ!」 「デェェェェヤァッ!」 ティガのゼペリオン光線、ゼロのワイドゼロショットが同時にガタノゾーアに命中! そうすることで相乗効果を生み出す合体技、TZスペシャルだ! 「プオオォォォォ――――――――!!!」 ガタノゾーアは膨れ上がっていく光のエネルギーを抑えることが出来ず、闇が光によって 打ち消されていく! 「ピアァ――――ッ!!」 爆発的に膨張した光はゾイガーの群れをも呑み込んで、完全に消し去った。 光が晴れると、超古代の怪獣軍団は跡形もなく消滅したのである。 「いぃぃやぁったあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」 「勝ったんだ! 光の大勝利だぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――ッ!!」 オンディーヌは一番の大歓声を上げて、互いに抱き合って喜び合う。ルイズも思わず口元を 抑えながら目尻に涙を浮かべた。 ガタノゾーアたちを打ち倒したティガとゼロは着地すると、向かい合って光に変わっていく。 そして二人の光が混ざり合って、一つになった――。 『……結局、元の鞘に戻っちまったなぁ』 ルイズたちの元へと歩いていく才人の左腕には、再びウルティメイトブレスレットが 嵌まっていた。再びゼロと融合した証拠である。 「何だか、もうこれがないと落ち着かなくなったよ。次からは勝手にいなくならないでくれよ? ゼロ」 『悪かった悪かった! それじゃあ、これからもよろしく頼むぜ……でいいんだな? 才人』 「ああ!」 ゼロに力強く応じた才人の元へと一番に走ってきたのはルイズであった。彼女は才人の 胸をポカポカ叩きながら言う。 「どうして来ちゃったのよ~~~~~!」 「何言ってんだよ、俺が来なかったら死んでたくせに。というか人を勝手に帰そうとしてんじゃ ねぇよ!」 怒鳴られたルイズが口をもごもごさせながら、激しく泣いた。 「だって……サイトがお母さんからの手紙見て泣いてるんだもん……可哀想になっちゃったんだもん……。 わたしより、家族の方がいいんじゃないかって……そっちの方があんたは幸せなんじゃないかって……」 才人はルイズを優しく抱き締めて言った。 「自分の幸せは、自分で選ぶ。そして俺の幸せは、多分ここにあると思うんだよ……」 感極まって才人を抱き締め返すルイズだが、そこにゼロが口を挟んだ。 『邪魔するようで悪いが、お袋さんのことはどうすんだ? せめて無事を知らせるぐらいの ことはしてやるべきじゃ……』 それに才人は、微笑みながらこう答えた。 「それなら心配ないぜ。こっちからもメールを送ったんだ」 才人の懐の通信端末には、先ほど才人が地球へと送信したメールのデータが入っていた……。 母さんへ。 驚くと思いますけど、才人です。黙って家を出てしまい、ほんとにごめんなさい。いや、 ほんとは黙って出た訳じゃないけど……言っても理解されないと思うので、そういうことに しておきます。とにかく、ごめんなさい。 メールありがとう。 心配してくれてありがとう。 さっき、ちょっとだけ母さんの顔が見えました。ちょっとやつれてたんで、悲しくなりました。 心労で喉が通らないかもしれないけど、ちゃんと食べて下さい。 俺は生きてます。 無事ですから、安心して下さい。 俺は今、地球とは別の世界にいます。そこでウルトラマンになってます。 信じてくれないとは思いますけど、ほんとのことです。頭がおかしくなったと 思われても仕方ないけど……ほんとです。 その世界は、怪獣がたくさんいて大変なことになってます。俺の友達や大事な人がとても 困ってるんです。 俺は、その人たちの力になりたいんです。 だからまだ……帰れません。 でも、いつか帰ります。 お土産を持って、帰ります。 だから心配しないで下さい。 父さんやみんなによろしく伝えて下さい。 取り留めなくてごめんなさい。急いで書いてますんで。 母さんありがとう。 ほんとにありがとう。 ウルトラマンは大変だけど、俺は幸せです。 生んでくれてありがとう。 それではまた。平賀才人。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/4423/pages/340.html
編集する。 カウンター - 2024-08-31 01 59 46 (Sat) 主人公ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 平賀才人(ひらが さいと) デルフリンガー トリステイン学園関係者シエスタ ティファニア・ウエストウッド トリステイン王室関係者 リンク 主人公 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 声優・釘宮理恵 ヴァリエール家の三女で平賀才人を使い魔にしている。 魔法が使えないので「ゼロのルイズ」と呼ばれていた。 才人に対してツンデレにあたっている。 平賀才人(ひらが さいと) 日本の秋葉原からこの世界に召喚された。 デルフリンガー トリステイン学園関係者 シエスタ ティファニア・ウエストウッド トリステイン王室関係者 [[]] [[]] リンク コメントログ 名前 コメント 編集する。 出典、参考
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9181.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第六十話「疑心の雪山(前編)」 氷超獣アイスロン 登場 空飛ぶ大陸に存在する国家、アルビオン。『白の国』の異名を持つこの地は、冬の季節、 一年の始まりである始祖ブリミルの降臨祭を間近に迎えようとしている時節であった。 そのアルビオン大陸に連なる山脈に白い冠を被せる吹雪の中を、ハルケギニアの文明には 存在しないはずの複葉機が飛んでいた。これは才人がシエスタの一家から譲り受け、 コルベールに修復してもらったゼロ戦である。 「……ちょっとサイト、指定の場所への進路から、少し左にずれてるみたいよ。修正して」 ゼロ戦のコックピット内で、ルイズが地図と計器を見比べて指示した。ゼロ戦は本来単座だが、 コルベールの改造によってルイズが収まる後部座席を加えてもらっている。 しかし、操縦席で桿を握る才人はボーっとしていて、聞こえていないようだった。 「サイト! 聞いてるの!? 右に軌道修正してって言ってるの!」 ルイズが強く呼びかけて、ようやく才人は我に返った。 「あ、ああ、ごめん……風が強くてさ……」 「言い訳しないで! しっかりしてよね! これからわたしたちは、とても重要で名誉な 任務を遂行するのよ。あんたのせいで失敗なんかしたら、承知しないわよ!」 謝った才人だが、ルイズの強い語調のなじりでムッと顔をしかめた。 「おい、そんなに言わなくたっていいだろうが!」 「口を動かしてないで、操縦に集中してなさい! それがあんたの仕事でしょう! 使い魔なら 使い魔らしく、役目に集中なさい!」 言い返すも、ルイズは更に語気を強めた。取りつく島もない態度に、才人は不承不承に顔を前に戻す。 「へいへい、分かりましたよ、ご主人さま。……ったく……」 不機嫌に舌打ちする才人に、ルイズもまた苦虫を噛み締めた表情になった。 トリステイン・ゲルマニア連合軍は二週間前、遂にアルビオン大陸への進撃を開始した。 連合軍はまず上陸を行うために、空軍基地ロサイスを占領した。もちろん敵軍の重要拠点だったので、 容易なことではなかった。しかし連合軍は、女王直属の極秘エージェントという立場になったルイズの 『虚無』の魔法により、第一次攻防戦に快勝した。『イリュージョン』で作った幻の艦隊を別の ダータルネス港に近づかせ、敵空軍を陽動したことで、空戦力に劣る連合軍は大勝を飾ることが出来た。 その後連合軍は、ロサイスに陣地を構えてアルビオン軍の反撃に備えた。しかし予想に反して、 アルビオンの攻勢は全くなかった。アルビオン軍主力は、首都ロンディニウムに立てこもったままだったのだ。 連合軍に具体的な損害は発生しなかったものの、無駄な陣地構築によって兵糧を無駄にしてしまった。 財政がギリギリのトリステイン・ゲルマニア両国にとっては、兵糧の浪費はかなりの痛手だ。連合軍は迅速な 進軍を求められた。しかし、途中の敵拠点を無視して一気にロンディニウムまで進撃するのは危険が大きい。 そこで、シティオブサウスゴータという古都を占領する作戦が立てられた。サウスゴータは アルビオンきっての大都市であり、街道の集結点である。ここを取れれば、他の拠点を見張りながら ロンディニウムまで進軍可能だし、持久戦もやりやすい。現状では最良の手と言えるだろう。 しかしそれだけの重要地点、当然敵の守備が厚いことが予想される。なるべく安全にサウスゴータを 奪取するために、またルイズに白羽の矢が立った。主力に先行してサウスゴータに赴き、『虚無』の力で 敵に大打撃を与える。ルイズと才人は、その作戦の真っ最中であった。 幸い、トリステイン側の士気は非常に高い。それは、女王アンリエッタがこの戦地に赴き、 自ら兵士たちを鼓舞しているからだ。先の上陸戦の勝利の勢いもある。これならば、ルイズの攻撃が あまり効果を発揮しなくとも、占領自体は失敗しないだろう。そう考えれば、気が楽になるかもしれない。 だが、しかし……才人の心持ちは、意気揚々としている兵士たちとは逆に暗かった。 (みんな、どうしてそんなに活気があるんだよ。命の奪い合いをするんだぞ……!?) 才人はアルビオンへ発つ前に、コルベールの死を目撃した。人の“死”に慣れるなという、 彼の想いを知った。そのために、いつもよりも人の生死に過敏になっていた。 また、上陸作戦の際にも、人の死に直面した。『イリュージョン』の効果を最大にするために、 自分たちが直接ダータルネスに乗り込んだのだが、その際に護衛の名も知らぬ少年竜騎士たちが、 敵の攻撃からの盾となって次々と撃墜されていった。彼らの、死を目前とした者のみが出来る 諦めの境地の笑顔が、才人の脳裏から離れない。 もっとも、彼ら自体はどういう訳か、一週間も経ってからひょっこり帰ってきたのだが……。 どうやって助かったのか、一週間どこに隠れていたのか、彼ら自身が何も覚えていないという、 何とも摩訶不思議な事態であった。その謎は、今も解き明かされていないままだ。 ともかく、こういったことで才人は人の命を奪うことに強い疑問を抱き、戦争に荷担している 現状にも消極的な気分でいるのだった。侵略者を撃退するのとは、訳が違うのだ。 (俺は、どうしてこんなところにいるんだろう? そりゃあ、ヤプールと宇宙人に支配されてる アルビオンを放っとくことは出来ないってことは分かる。でも……他に方法はなかったんだろうか。 人が人を殺す以外の解決手段が……) 才人が塞ぎ込みがちなので、ルイズがきつく言って命令を言い聞かせるありさまなのだった。 しかし、ルイズが才人に厳しく当たるのは、それだけが理由ではないのだった。ルイズも本当は そんなことはしたくない、根を詰めている彼に優しくしてあげたいとは思っているのだが……。 (サイトは、直にこの世界からいなくなるのよ……。優しくしたって、しょうがないじゃない……) ルイズは、先日のことを回想する……。 グレンが傭兵として連合軍に参加していると耳に挟んだルイズは先日、彼に挨拶をしようと 足を運んでいた。しかしその時はちょうどグレンとミラーナイトが会話をしているところであり、 ルイズは意図せずして二人の話を盗み聞きしてしまったのだ。 その内容が、才人のことだったから。 『ところでよぉ、いつになったらサイトの命は再生するんだろうな? ランの時は、割とすぐに 再生したのに』 『サイトは命の損傷が非常に大きかったそうですからね。その分、時間が掛かるのでしょう。 あなたが助けたウェールズさんと同じですよ』 グレンと鏡の中のミラーナイトは、そう話し合っていた。 『ゼロに聞いたところ、二人の分離は今年中には間に合いそうにないとのことです』 『そうか……。ってことは、ヤプールとの決戦でも二人は合体したままってことになるだろうな。 決戦までサイトを巻き込むってのは、気が引けるが……』 ヤプールとの決戦は、連合軍がロンディニウムに乗り込む降臨祭の前後までに起こるだろうとの 予測が立てられた。わざわざ国一つを乗っ取っておいて、奪還されるのを指をくわえて見ている だけとは到底思えない。その時点に、何らかのアクションを起こすはずだ。 敵の攻勢は、こちらの攻勢のチャンスでもある。ウルティメイトフォースゼロは、これ以上 ヤプールの魔手にハルケギニアを侵させないためにも、無理矢理にでもその際に決着をつける 腹積もりでいるのだった。 『ですね……。しかし、こればかりは仕方ないことです。それに、決戦を無事に乗り越えさえ すれば、ようやくゼロとサイトは分離できるでしょう。ヤプールさえ倒せば、ゼロが一旦この宇宙を 離れるのにも問題はないはずです。その時こそ、やっとサイトをチキュウに帰してあげられますね』 『ようやくかぁ。サイトの奴も、故郷が恋しいことだろうな。あいつが無事に帰れるように、 俺たちがしっかりとサポートしてやんなきゃな!』 それを聞いて……ルイズは、あまりにも大きなショックを受けた。 (サイトが……帰る!?) その時のことを思い返して、ルイズは悶々とした。 (サイトが故郷へ帰る……それは当然の権利じゃない。そもそもが、不当にこの世界に連れて こられたようなものなんだもの。私に、それを止めることなんて出来ない。むしろ、進んで 送り出してあげなきゃ。……でも……) 才人がいつまでもこの世界にいる訳ではないこと、いずれはいなくなる存在であること。 分かっていたつもりであった。しかし、いざ意識してみると……胸の辺りが、いやにもやもやと する。それを認めたくない気分になる。けれど、その気持ちを肯定する訳にはいかない。 押し殺さなければ……。その気持ちの矛盾がルイズの心をかき乱し、つい才人に厳しい態度を 取らせてしまうのだ。 それぞれ複雑な心情を抱えた二人を乗せたゼロ戦だが、とうとう目的地が近づいてきた。 吹雪を抜けた先に、山間の広大な盆地に築かれた白い街並みが見える。あれがシティオブサウスゴータだ。 「ルイズ、見えたぞ! でも、『虚無』の魔法、上手く使えるのか?」 ここに至って、才人は心配になった。『虚無』は威力が絶大な分、消費する精神力も大きい。 実際にルイズは何度か、精神力切れを起こしている。特に最近は、『虚無』を使用することが多かった。 今のルイズに、敵陣を壊滅させるだけの『爆発』を起こせるのだろうか。 「任せて! ……思ったよりもずっと、敵影が少ないわ。これなら何とかなるはず……!」 眼下に見えるサウスゴータの街に在中している敵兵は、ほとんどがオーク鬼やトロル鬼といった 大柄の亜人で、それを指揮するメイジが何人かという謎の構成。兵隊の姿は異様に少ないし、 亜人だってわんさかといる訳ではない。大都市の守衛としては、いやに手薄な陣営だ。 実に奇妙だが、隠れている訳でもなさそうだ。それに、敵が少ないならそれに越したことはない。 ルイズは風防を開いて、呪文の詠唱を開始する。 だが、完成する前に一騎、ゼロ戦に急接近してくる竜騎士の影が見えた。騎士の跨る火竜が、 炎のブレスを吐こうとしている。 「待った、ルイズ! 敵が近づいてる! そっちを振り切るのが先だ! 一旦風防を閉じろ!」 才人はルイズをコックピットに戻し、ゼロ戦を駆る。右にそれたゼロ戦は、ギリギリのところで 炎のブレスを回避した。あれが当たっていたら、機動力の犠牲に装甲を薄くしたゼロ戦のこと、 エンジンをやられていたことだろう。 竜騎士から逃れようとするゼロ戦は、サウスゴータの上空からそれて雪山の方へと移っていく。 「街から離れちゃ駄目じゃない! 引き返して!」 「けど、敵が!」 「倒せばいいでしょ!?」 確かにルイズの言うことの方が確実だ。撃ち落とした敵は、もう追撃してこない。 しかし……自分にゼロ戦の機銃を、人に向けることが出来るのか? 撃てば……相手は 死ぬ可能性が高いのだ。 逡巡する才人だが、決断を下す時間の余裕はなかった。山間の吹雪の中に……巨大な怪物の 影が見えたのだ。 「!? あれは!?」 「キョォォオオオオオオ!」 吹雪のカーテンを潜って、青いトゲトゲとした氷像のような巨大怪物が姿を見せた。顔面には、 真っ赤な三つ目が荒天の中で爛々と輝いている。 「きゃあッ!? 怪獣よ!」 「いや、あいつは……超獣だ!」 才人の叫んだ通り、怪物の正体は氷超獣アイスロン。ということは、ヤプールの放った 刺客に違いあるまい。自分たちの命を狙っているのか。 「キョォォオオオオオオ!」 アイスロンは口から、猛吹雪をも上回る猛烈な冷凍ガスを噴射する。狙う先は、当然ゼロ戦。 「危ないッ!」 あんな冷凍ガスを食らってはひとたまりもない。才人は操縦桿を操り、ゼロ戦を動かして アイスロンから逃げる。ゼロ戦の飛行速度ならば、不可能なことではない。 だが、才人たちを追い回していた竜騎士が代わりに冷凍ガスに襲われた。火竜の翼が凍りつき、 飛べなくなって山中へ向けて落下していく。 「あぁッ! あの騎士が!」 「サイト! よそ見してるんじゃないわよぉ!」 才人がそれに気を取られたことで、反応が遅れた。 「キョォォオオオオオオ!」 アイスロンが吐いた冷凍ガスを、今度は避け切れなかった。ゼロ戦は機体が凍り、バランスを 崩してしまう。 「う、うわあぁぁぁッ! しまった!!」 「馬鹿ぁッ!」 慌てて操縦桿を握り直す才人だが、もう遅い。機体を立て直すのは不可能だ。かと言って、 ゼロアイを取り出して変身している暇もない。少しでも手を離したら、その途端にゼロ戦は 真っ逆さまである。 「しょうがない……! 不時着するぞ!」 才人は必死に桿を操って、山間部へとゼロ戦を降下させていく。その機体が、吹雪の中に 紛れて見えなくなった。 「キョォォオオオオオオ!」 アイスロンは消えていくゼロ戦を追いかけて、山の間に引き返していった。 その後、ルイズと才人は奇跡的に助かった。アイスロンに発見されなかったのだ。ゼロ戦を煽っていた 吹雪が逆に幸いとなり、不時着の地点をアイスロンの目から隠してくれたようだ。 しかし、雪山に滑走路はない。着陸してしまったゼロ戦は、もう飛ばせなくなってしまった。 そのためルイズと才人はゼロ戦を捨て置き、徒歩でアイスロンから逃れることとなった。 「もう……サイト、あんたがよそ見をするから、作戦は失敗しちゃったじゃない。姫さまに何と 申し上げれば良いか……」 かまくらで一夜を過ごし、吹雪がやんだ雪山の中を移動する中で、ルイズが苦言を呈した。 それに才人は顔をしかめる。 「だって、あの竜騎士が俺たちの巻き添えになったんだぞ。無視するなんてこと、出来るかよ」 との発言に、ルイズは次のように言い聞かせる。 「相手は敵だったじゃない。襲われたからと言って、放っておけばよかったのよ」 それを聞いて才人は、険しい表情でルイズを見返す。 「な、何よ……」 「それ、本気で言ってるのか? 敵とはいえ、本気で人を見殺しにしろって命令したいのか? お前、そんな冷たい奴だったのかよ」 と言い返すと、ルイズはバツが悪そうに目を泳がせた。 「わ、わたしだって、本当はこんなこと言いたくないわ。でも……今は戦時中なのよ。冷酷に ならなければいけない時だってあるのよ……。戦う相手にいちいち温情を掛けてたら、自分どころか 味方も危険に晒すかもしれないのよ」 「……」 ルイズの言葉を受けた才人は、無言のまま目を伏して前に向き直り、再び歩き出した。 ルイズの言うことは、もっともかもしれない。戦争は一言で言えば、命のやり取りだ。 ちょっとのミスが、死という取り返しのつかない結果に直結しかねない。自分の、味方の 命を守るためには、情けを心から消さなければいけないのかもしれない。 しかし……才人はそれが嫌であった。もっと言えば、そんなことを唱えるルイズを見るのが たまらなく嫌だ。ルイズは高慢なところもあるが、心優しい少女だったはずだ。だから才人は、 彼女の側にいるのが嫌にならない。そうだったのに……今の非情なルイズを見ていると、 悲しい気分になってくる。人が変わってしまったみたいだ。 人が変わったといえば……アニエスを思い出す。立派な騎士であったはずの彼女が、仇のコルベールを 前にした時は、完全な復讐の鬼と化していた。恨みとは、それほどまでに人を醜く恐ろしいものに変えてしまうものなのか。 その恨みを生み出す「殺し合い」に参加している現状は、どうなのか……。本当にこれで 良かったのか……。その思いが、ずっと才人の心の底に渦巻いている……。 「……サイト、あれ見て! 何だか変よ」 陰鬱な気分になっていると、ルイズの呼びかけで意識が現実に戻った。 二人の進行先に、雪の山が出来ている。その下から、何やら赤いものが覗いているのだ。 あれは何だろうか。 「ルイズ、下がってろ。確かめる」 才人はデルフリンガーを抜き、正体を確認しようと恐る恐る近づいていく。近くから見て、 火竜が雪に埋もれているのだということが分かった。 「火竜……? ってことは、昨晩の……」 「だあああぁぁぁぁぁぁッ!」 つぶやいた瞬間、火竜の羽が持ち上がり、下から鎧を纏った青年が飛びかかってきた! 「おわッ!?」 才人は体当たりを食らい吹っ飛ばされるが、どうにか受け身を取った。 「サイト!?」 「くッ……お前は……!」 才人は相手の顔を見て、昨晩に自分たちを追いかけてきた竜騎士だと確信した。一瞬だけ見えた、 相手の顔つきとほぼ同じだ。 「貴様ぁッ!」 青年竜騎士は杖となるレイピアを抜き、才人に風の魔法の攻撃を放ってきた。才人は咄嗟に デルフリンガーで吸収して反撃に出ようとしたが、 「うッ……!」 それきり騎士は攻撃をせずに、グラリとその場に倒れ込んだ。 「ん? 気を失ったのか……?」 用心しながら騎士に近寄る才人とルイズ。ルイズは騎士の右足に注目した。 「足を怪我してるみたいね……」 それを知ったルイズは、才人に指示する。 「サイト、彼を背負って」 「え?」 「このままじゃ凍え死んじゃうでしょ? いいから早く!」 デルフリンガーと騎士のレイピアをルイズに預け、才人は言われるままに騎士を背負いながら、 ルイズに問いかける。 「お前、さっきは敵は放っておけって言わなかったか?」 「でも、今は戦闘行為中じゃないわ。わたしだって、出来ることなら見殺しになんてしたくはないわよ。 彼も助けましょう」 その言で、才人はルイズに優しさがなくなった訳ではないと思ってほっとした。……しかし、 同時に複雑な気持ちとなる。 (戦いでは殺さなきゃいけない相手を助けようだなんて、矛盾してるじゃないか……) ここでこの騎士を助けても、次の戦場では彼を手に掛けねばいけないかもしれない。そうでなくても、 助けた騎士が味方の命を奪うことは十分にあり得るのだ。戦場では、人助けも正しい行為にならないかも しれないことを、才人は知ってしまった。 (くそッ……人として正しいことをしてるはずなのに、何でこんなことを考えなくちゃいけないんだ……) また才人が憂鬱になっていると、背負っている騎士がかすかに動いた。目覚めたのか。 「死んでも、名誉は守る……!」 「え? うわぁぁぁッ!?」 才人は背負っている相手から、首を締めつけられる! 「くッ! この野郎!」 当然才人は抵抗して、取っ組み合いとなる。その際の勢いで、騎士の懐からロケットが 飛び出してルイズの足元に落下した。 「あッ……」 「何しやがるんだぁッ!」 才人は騎士に頭突きを食らわせて、弾き飛ばした。 「ぐぅッ!!」 騎士は足の負傷もあり、立ち上がることが出来ない。その間に才人はルイズよりデルフリンガーを 受け取り、騎士に突きつけた。 勝負は決したが、騎士は才人に要求する。 「殺せ……! 敵に情けを受けるくらいなら、死んだ方がマシだ……!」 「……断る」 だが才人は、切っ先を下ろした。それに騎士は憤りを見せた。 「僕が怪我をしてるからか? これくらい、怪我の内に入らん……!」 騎士は無理に立ち上がろうとするが、すぐに崩れ落ちた。才人は彼の胸倉を掴むと、怒鳴りつける。 「俺は人殺しなんてしたくねぇ! ただ、ルイズを守り、無事に帰りたいだけだ! どうしても 暴れたいのなら、ふもとに着いてから、別の奴を相手にしろ!」 そう言って突き飛ばすと、騎士は毒気を抜かれて、大人しくなった。才人はデルフリンガーを ルイズに返し、騎士を再び背負う。 と、その時、山の向こうからアイスロンの咆哮が聞こえた。 「キョォォオオオオオオ!」 「! 昨日の奴の鳴き声だ……。俺たちを探してやがるのか?」 どうやら、アイスロンの気配はこちらに近づきつつあるようだった。危険を感じた才人は、 すぐにその場から離れようとする。 「森に紛れて、身を隠しながら逃げよう。お前も、もう暴れるんじゃないぞ。お前だって、 超獣の餌になって死ぬのは嫌だろ?」 「あ、ああ……」 騎士を背負った才人とルイズは、逃げる寸前に騎士に覆い被さっていた火竜を見やった。 「あの竜は、お前を助けてくれたのか?」 「ああ……かけがえのない相棒だった。僕が凍死しなかったのは、あいつが温めてくれていたお陰だ。 ……だが、もう……」 騎士の言葉で、才人たちは火竜の息が既にないことを知った。 「……行こう」 今の自分たちでは、火竜の遺体までは連れていけない。罪悪感は覚えるが、超獣が闊歩する 雪山の中に置き去りにすることを選択する。 「ウィンザー……ありがとう」 騎士は才人に背負われながら、最後に火竜にそう告げた。才人とルイズも黙祷してから、 森の中へ逃げ込む。 ふもとの連合軍の陣地までは、まだ大分距離がある。雪山の逃走劇は、まだ先が流そうだった。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9437.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第百五十一話「ブリミルの贈り物」 地中鮫ゲオザーク 登場 アンリエッタの密命により、ルイズとティファニアをロマリアへと連れてきたオンディーヌ。 そこで待っていたのは、教皇ヴィットーリオからのガリア王ジョゼフ廃位の計画の協力要請だった。 タバサを救うために才人は乗り気であったが、ルイズは彼がまた危険を背負い込むことになる故に 消極的だった。そして返答を保留したまま――間に才人がキリエル人から身に覚えのない復讐を されるなんてこともあったが――一日が経過した。 そして早朝、才人は昨晩誘われた通り、ジュリオに連れられ地下のカタコンベまで来ていた。 ひんやりと湿った空気が漂う狭い通路の中、才人がぼやく。 「辛気臭いとこだなぁ。こんなとこで見せたいものって何だよ。お墓とかじゃないだろうな」 「墓というのはある意味で合ってるかもね。でも、眠ってるのは人じゃない」 「はぁ?」 才人とジュリオが行き着いた場所は、四方に鉄扉がついた円筒状の空間だった。ジュリオは 鉄扉の一つの前に立つと、錠と何重もの鎖を取っ手から外し、錆びついた扉を力ずくで開ける。 その途端に埃が舞い上がり、才人は思わずむせる。 扉の奥は照明がなく、真っ暗であった。しかしジュリオが部屋中の魔法のランタンに明かりを 灯すことで、その暗闇の中に隠されていたものが才人の目に露わとなった。 「な、何だよこりゃ……」 「驚いたかい?」 ジュリオが言った通り、才人は目の前に広がった光景に、一瞬にして圧倒されていた。 手前の棚にところ狭しと並べられているのは、明らかな銃器。しかもハルケギニアの原始的な ものとは全く違う……地球製のものばかりだった。イギリス製の小銃から始まり、ロシアのAK小銃。 サブマシンガンにアサルトライフル……スーパーガンやウルトラガンなど、歴代の防衛隊の銃器 までもあった。ほとんどは錆で覆われていて、完全に壊れているものもあるが、いくつかは新品 同様にピカピカと光を反射していた。 「見つけ次第、“固定化”で保存したんだが……中には既に壊れていたり、ボロボロだったり したものもあったんでね」 ジュリオの言葉が半分くらいしか頭に入ってこないほど、才人はこの部屋に収められている ものを見回していた。近代の技術による銃火器以外にも、火縄銃やマスケット銃などの古典的な ものや、日本刀やブーメランなど時代と地方を選ばずに、武器と呼べるものがこれでもかと鎮座 している。ちょっとした博物館のようであった。 「……何でここにこんなものがあるんだ?」 才人の疑問に答えるジュリオ。 「東の地で……ぼくたちの密偵が何百年もの昔から集めてきた品々さ。向こうじゃ、こういう ものがたまに見つかるんだ。エルフどもに知られないように、ここまで運ぶのは結構骨だった らしいぜ」 言いながら、部屋の一番奥にある、仕切りのカーテンに手を掛けるジュリオ。 「ほら、これなんかは一番大きいものさ。あまりにも大きいんでそのままじゃ運べないって ことで、一旦解体されてからここで組み立てたそうだぜ。最初から壊れてて使えないのに、 そこまでする必要があったのかは甚だ疑問だけどね」 カーテンが引かれ、その奥に隠されていたものを目の当たりにした才人が、思わず息を呑む。 それは、全長五十メイルにまで届きそうな、巨大な足の生えたサメであった。……いや、 ビリビリに破けた皮膚の下から露出しているのは肉ではなく、鋼鉄の人工物。つまり、怪物 ザメに偽装したロボットなのだ。 「巨大生物に偽装したカラクリ。誰が、何のためにこんなけったいなデカブツを造ったんだろうね」 肩をすくめるジュリオ。今は完全に破壊されていて物言わぬ巨大ロボットは、ネオフロンティア スペースの地球人が巨人の石像を探し出すため、またその際に正体が露見しないように怪獣に見える ように作り上げられた、ロボット怪獣ゲオザークである。才人たちのあずかり知るところではないが。 「けどこっちのデカブツはまだ動くみたいだ。動かし方が分からないんだけどね」 ジュリオがゲオザークから離れ、油布に覆われた小山のようなものに近づき、その油布を 引っ張って取り外した。 積もった埃がずり落ちた油布によって舞い上がる中、才人は再度目を見張った。 「こ、こんなものまで……」 武骨ながらもそれが逆に芸術性を感じさせるような黒塗りの車体。下部には四輪と、その後方に キャタピラが備わっている。そして一番目立つのが、機首より突き出た太く鋭いドリル。側面には、 歴史の教科書で目にしたウルトラ警備隊の紋章がランプの灯りに照らされ燦然と輝いていた。 地球防衛軍開発の、ウルトラ警備隊に配備された地底戦車であり、史上最大の侵略を仕掛けてきた ゴース星人の基地を爆破するための特攻で全機失われてしまったはずのマグマライザー。紛れもない 本物だった。 才人は思わずマグマライザーに手を触れた。その途端、左手のガンダールヴのルーンが 仄かに光った。それが、マグマライザーがまだ生きていることの証明だった。 マグマライザーに圧倒されている才人の様子を見て、ジュリオが口を開く。 「ぼくたちはね、このような“場違いな工芸品”だけじゃなく、過去に何度も、きみのような 人間と接触している。そう、何百年も昔からね。だから、きみが何者だか、ぼくはよく知っているよ」 「お前……」 「そしてきみは、この“武器”たちの所有者になれる権利を持っている。だから、この“場違いな 工芸品”はきみに進呈しよう」 「権利だと? どういう意味だ?」 「これは元々きみのものなんだよ、ガンダールヴ。きみの“槍”として贈られたものなのさ」 言いながら、ジュリオは“虚無”の使い魔の歌を唱えた。その中では、神の左手ガンダールヴは、 左手に大剣、右手に長槍を握っていたとある。 「ぼくはヴィンダールヴ。ありとあらゆる獣を手懐けることができる。怪獣は大きすぎて 難しいんだけどね。それでも、既に何匹かはロマリアから遠ざけることに成功してるよ」 才人はロマリアが、空中大陸のアルビオンと違って地上の国なのに怪獣被害が少ないという 話を聞いた覚えがあるのを思い出した。神官らは始祖ブリミルの威光と喧伝しているそうだが、 ジュリオがそのタネだったという訳だ。 「ミョズニトニルンは、ガリアの怪しい女。マジックアイテムを使いこなす。普通の戦いだったら 最強だろうね。最後の一人は、ぼくもよく知らない。まぁそれは今は関係ない。きみだ、きみ! 左手の大剣はデルフリンガーのことだよ。でもって、右の長槍……」 「どう見たってこいつらは槍には見えないぜ」 マグマライザーを指差す才人に、ジュリオは説く。 「槍ってのはそのままの意味じゃない。“間合いが遠い”武器って意味さ。強いってことは、 “間合い”が遠いってことだ。怪獣が何故強いか分かるかい? 尋常じゃないタフさもあるけど、 単純に人間よりずっとでかいからさ。おまけに火や光線も吐く。ただの人間じゃ、鉄砲の弾が 届く範囲にすら近づく前にお陀仏だよ。対してウルトラマンゼロたち巨人は、怪獣と同等の 間合いに、それ以上の破壊光線を発射することで怪獣以上の最強として君臨してる。六千年前の 最強の武器は“槍”だった。それだけの話さ」 マグマライザーの装甲を叩くジュリオ。 「始祖ブリミルの魔法は未だに聖地にゲートを開き、たまにこういうプレゼントを贈ってくれる。 考えられうる最強の武器……ガンダールヴの“槍”をね。だからこれはきみのものだ。兄弟(ガンダールヴ)」 才人は胸が震えるのを感じた。スパイダーも、佐々木の乗っていたゼロ戦も……始祖ブリミルの 魔法によって導かれたものだったのだろう。そして、多分自分も……ひょっとしたら、ウルトラマン ゼロすらも……。 ゼロは時空の移動中に遭遇した次元嵐を抜ける最中、何かの力に引っ張られて自分と衝突 したと言っていた。 「まぁ、そんな訳できみに進呈するよ。ぼくたちが持っていても、さっき言ったように使い方が 分からないし……作れないし直せない。どんなに強い“槍”だろうが、量産できなきゃ意味はない。 きみたちの世界は、いやはや! とんでもない技術を持っているね。ウチュウ人にだって負けないんじゃ ないか?」 「聖地にゲート?」 「そうさ。他に考えられるかい? 多分、何らかの“虚無魔法”が開けた穴だ。きっとね」 才人はここに来て次々知らされた内容に、めまいを覚えそうな気分にすらなった。 「……そんな訳で、こいつをもらってきた」 昼食後、才人は客室で、姿見からこの場に来てもらったミラーとグレンに、カタコンベから 持ってきた銃器を見せていた。 レベルスリーバースの地球の一つからゲートを潜り、ハルケギニアへとやってきたその武器の 名は、ディバイトランチャー。ナイトレイダーという組織の標準兵装である、可変光線砲だ。 武器に勘の働くデルフリンガーが、こいつが一番汎用性に優れると勧めたのだ。本来ならば 生体認証で登録者以外は取り扱うことは出来ないのだが、そこはガンダールヴの力でクリアした。 「へぇ~。しっかしすげぇ話だなぁおい。何か色々と地球の人や物品がここに来てるみてぇ だとは思ってたけどよ、まさかそんな仕掛けがあったとは!」 ジュリオから伝えられ、才人が話したガンダールヴの“槍”と聖地のゲートの話に、グレンは 感心し切っていた。ミラーもまた、圧倒されたように顎に手をやる。 「その聖地のゲートというのは、要するにスターゲートのようなものなのでしょうね。しかし、 一個人がそれを作り上げようとは……」 『ああ。俺も話だけだったら、多分信じなかった。それだけとんでもねぇ内容だぜ』 ミラーに同意を示すゼロ。スターゲートとは、多次元宇宙を股に掛けて存在する怪獣墓場の 唯一の恒常的な出入り口であるグレイブゲートのような、宇宙と宇宙をつなぐ扉である。しかし もちろん、そんな大それたものがそうそう簡単に設置できるものではない。グレイブゲートも、 誰が作ったものなのかは未だ解明されていない。 それなのに、ブリミルは六千年も機能するほぼ完璧な形のゲートを作り上げたようだ……。 “虚無”の魔法の強力さは、自分たちの想像以上だとゼロたちは感じた。 「けど今はそれよりガリアのことだぜ。ルイズの奴は、作戦に未だに反対してるってか?」 話題を変更するグレン。才人はうなずく。 「そうみたいだ。どうも不機嫌でな……。せっかくのガリアの王様をやっつける絶好の機会 だってのに、どうして分かってくれないんだ? ルイズの奴」 ぼやく才人に、ミラーが告げる。 「恐らくルイズは、あなたに危険が及んでほしくないのですよ。サイト、あなたが一番危険な 立場ですからね」 「でも、危険なら今までいくらでもあったじゃないか。どうして今頃……」 納得できていない才人に、グレンもうんうんうなずいていた。そんな二人にミラーは肩を すくめる。 「自ら危険を呼び入れようとするのに反対なのでしょう。女性とは、親密な男性相手には そうするものです」 「うーん……俺にゃあそういう心理はいまいち分かんねぇぜ」 全く女心に疎いグレンがポリポリ頭をかいた。 「で、そのルイズは今どうしてんだ?」 「ああ、あいつなら教皇聖下に呼ばれてたぜ。“始祖の祈祷書”も持っていって、向こうで 何やってるんだろ……」 才人がつぶやいたその時、不意にこの部屋の中に、ピコン、と軽快な電子音が鳴り渡った。 「ん? 今の何だ? 何かの着信か?」 「あッ、ごめん俺だ。……えッ!?」 つい反射的にグレンに答えた才人が、目を見張った。 「着信!? そんな馬鹿な!」 まさかと思いながら通信端末を引っ張り出すのだが……その画面には確かに、メールの 着信を知らせる表示があった。 ハルケギニアに来てから、一度も出てくることのなかった表示だ。 『お、おい才人、これって……』 「そんな……どうして、今になって……」 ゼロも才人も、唖然としていた。様々な機能を持つ端末ではあるが、宇宙を隔てているの だから、通信の類だけは絶対に出来ないはずなのだ。 その理由は、ルイズの側の行いにあった。 ルイズとティファニアはヴィットーリオに、新たな呪文の発見の場に招待されていた。 紆余曲折あってコルベールから“火のルビー”を返却されたことを契機に、新しい“虚無”を 祈祷書の中から見つけ出そうとしたのだった。 最初に祈祷書を見たティファニアは何も見つけられなかったが、ヴィットーリオは新たな 呪文を得た。 それは“世界扉(ワールド・ドア)”。その名の通り、ハルケギニアと別の世界を一時的に つなぐ扉を作り出す呪文。 その扉を通った電波を端末が受信し……地球からのメールが、才人の元に届いたのだった。 才人の端末には、何通ものメールが受信された。単なるダイレクトメールもあれば、友人からの メールもあった。しかし一番多かったのは……母からのメールだった。 才人は最後のメールを開いて、読んだ。 才人へ。 あなたがいなくなってから一年以上が過ぎました。 今、どこにいるのですか? 高凪春奈さんがよく元気づけに来てくれます。私は平賀くんに会った、いつか無事に帰って くるから心配しないでくださいといつも言ってくれます。 でも、いつかじゃなく今すぐにあなたの無事な姿を見たいのです。 もしかしたら、メールを受け取れるかもしれないと思い、料金を払い続けています。 今日はあなたの好きなハンバーグを作りました。 タマネギを刻んでいるうちに、なんだか泣けてしまいました。 あなたが何をしていようが、かまいません。 ただ、顔を見せてください。 その内に接続は切れたが、受信したメールはそのまま端末にある。 ぽたりと、画面に涙が垂れる。 「お、おいサイト……」 グレンが青ざめた顔で言いかけたが、ミラーが静かに首を振りながら止めた。 『……』 ゼロもまた、何も言葉を発さなかった。 ルイズは教皇の執務室から客室へと帰ってくる途中だった。 ヴィットーリオやジュリオは、ルイズが“ワールド・ドア”を用いて才人を元の世界に 帰すようにと言い出すのではないかと考えていたようだが、才人は最早帰ろうと思えば 帰れる身。その上で自分からハルケギニアにいることを選んだのだから、そんなことを 切り出すつもりはなかった。 けれども、いつか帰還する時のために自分を極力大切にするようにと再度説得するつもりで 戻ってきたのだが……客室の扉の前に、ミラーとグレンが難しい顔で並んでいるのに面食らった。 「二人とも、どうしたの? サイトは……」 尋ねると、ミラーは口の前に指を立ててルイズに口を閉ざさせてから、ドアを少しだけ 開いて中の様子を見せてくれた。 才人は、机の前で身体をかがめ、肩を微妙に上下させていた。泣いているのだ、とすぐに分かった。 「ミラー、一体何が……?」 小声で尋ねると、ミラーが腕組みしながら説明した。 「どうしてなのかは分からないのですが……サイトの端末にメール……手紙が届いたのです」 「手紙……? 誰からの?」 「故郷……母君からです」 「……かわいそうにな……」 グレンも、ポツリとそれだけつぶやいた。 ルイズは、頭を殴られたようなショックを感じた。 自分は、才人がハルケギニアに留まると宣言した時、喜びと幸せを感じていた。 才人の親がどんな思いでいるのか、そして才人がそれを知った時、どんな思いになるのか…… 考えもしなかった。 翌日。泣き疲れていつの間にか眠ってしまっていた才人は、無理矢理にでも気分を切り換える ことに決めた。明日は、いよいよ教皇の即位三周年記念式典。ガリアが必ず何らかの動きをする だろう。その時に、今のような気分のままでいたらいけない。 それと、昨日のことはルイズには秘密にしておこう。また、自分のせいにして落ち込む だろうし。……そう考えて、努めていつも通りの調子でルイズに朝の挨拶をしたのだが……。 「おはよう」 ルイズは昨日までの不機嫌さはどこへ行ったのか、にっこりと笑って挨拶を返した。しかも いつもの魔法学院の制服ではなく、やけにおめかしした姿だった。その上、こんな時にも関わらず 才人を街のお祭りへ……デートへと連れ出したのだ。才人は訳が分からず、目を白黒させた。 しかもルイズのおかしさはそれだけに留まらなかった。デート中、ルイズはずっと笑顔を 崩さなかった。才人が何を言っても。パンツを見せろだの、胸を触らせろだの、普段なら烈火の 如く怒り出すような無茶な注文をしても、嫌がるどころか進んでその通りにしたのだった。 ずっと反対していた作戦にも受け入れていた。 才人は、もしかして寝ている間にアンバランスゾーンに入り込んでしまったのではないかと 変なことまで考えてしまった。 「なぁゼロ、さっきからずっとルイズが変だ。何か知らないか?」 『……』 「ゼロ……?」 ゼロに尋ねかけても、ゼロも何故か一切口を利かなかった。しかし存在は確かに感じられる。 以前のように、長い眠りに就いている訳でもないようだった。 どういうことはさっぱり呑み込めない才人を、ルイズはぐいぐい引っ張って祭りを堪能したのであった。 そして夕方、二人は大聖堂の客室へと帰ってきた。才人はいよいよ我慢ならなくなって、 背を向けているルイズに問いかけた。 「なぁルイズ、お前何で今日はあんなに俺に笑顔を見せたんだ? そろそろ教えてくれよ。 何か理由あってのことなんだろ?」 するとルイズは、やはり笑顔のまま振りかえって……答えた。 「サイト、これが今までたくさん助けてくれたあなたへの、わたしからの精一杯のお礼の 持ちよ」 「今まで……?」 ルイズの物言いに、才人は何だか不穏なものを感じた。 そして、ルイズは続けて言った。 「それに……あなたには、笑顔のわたしを憶えて、故郷に帰ってほしいの。これがわたしの、 最後のわがまま」 才人は固まった。 「お、俺が、故郷に帰る? 最後のわがまま? お前、何言って……」 「手紙が届いたんですってね。お母さまから」 一瞬、才人は絶句した。 「聞いたのか……!」 ルイズはやはり笑顔のままだが、鬼気迫る様子で才人に言いつけた。 「サイト、あなたは帰らなくちゃいけないのよ。今すぐにでも」 「ま、待てルイズ! それは……!」 才人が取り成そうと言いかけたが、その時に左腕に妙な熱さを感じた。 思わず左腕を持ち上げると……それまで一時も腕から外れたことのなかったウルティメイト ブレスレットが、夢の世界の中でさえ消えなかったゼロとのつながりが……そこから消えていた。 「なッ……!?」 そして気がつけば、自分の目の前に見知らぬ顔立ちの青年が立っていた。しかし顔に覚えは なくとも、その雰囲気を自分はよく知っていた。 その青年の左腕に、ウルティメイトブレスレットがあった。 「ゼロッ!?」 「才人……あまりに急になっちまったが、これでお別れだ。勝手かもしれねぇが……お前と いた時間、とても楽しかったぜ」 ゼロが自分に、手の平をかざす。 「待って! 待ってくれッ!」 才人の呼びかけも聞かず、手の平からフラッシュが焚かれた。 それを最後に、才人の意識が途切れた。 才人の身体が、ぐらりと傾く。強制的に眠りに就かされた彼をルイズが抱きしめ、その顔を 優しく両手で包んで唇を重ねた。 「さよなら……わたしの優しい人。さよなら、わたしの騎士」 ひっく、と嗚咽を漏らしたルイズが、ゆっくりと才人をベッドに横たえた。そしてゼロへと 振り返る。 「……いいわ。ゼロ、お願い」 「ああ……」 ゼロが才人を地球に送り届けるために、ウルトラゼロアイを手に取った。――その寸前に、 鏡からミラーナイトの報せが飛び込んできた。 『ゼロ! ガリアに異様な気配が何十も感じられました! 恐らく、怪獣の大軍団が用意 されています!』 それに、ルイズは大きく舌打ちする。 「こんな時に……!」 ゼロは申し訳なさそうに告げる。 「……すまねぇな。ちょいと延期になっちまう。けど才人も一日二日は目を覚まさないだろう。 それまでに、何としてでも片をつけてやるぜ」 「お願い……。わたしも、出来る限りのことをするわ」 ゼロとともに部屋を出る時に、ルイズは一度だけ振り返った。涙がとめどなく溢れ、頬を伝う。 涙を拭うこともせずに、ルイズはつぶやいた。 「さよなら。わたしの世界で一番大事な人」 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/2128.html
今日 - 合計 - ゼロの使い魔 迷子の終止符と幾千の交響曲の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 14時32分55秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9250.html
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第七十五話「怪談・ミノタウロス」 オイル超獣オイルドリンカー 登場 それは、ゼロが命の光を引き替えにゼロキラーザウルスを消滅させてから、才人が発見されるまでの 間の出来事だった。 「キャアアアァァァ!」 『うっらぁぁぁッ!』 夜の帝政ゲルマニアの、地球で言うところの工業地帯が設けられた湾岸。今この地でグレンファイヤーは、 立ち並ぶ工場を襲おうとした怪獣……いや、超獣と戦いを繰り広げていた。 超獣の名はオイルドリンカー。アルビオンの死闘での超獣軍団の中にはいなかった超獣だ。 「キャアアアァァァ!」 オイルドリンカーは口から高熱火炎を吐く。そして場所はあちこちに火石や油など可燃物が 充満している工業地。かわしてしまったら非常に危険だ! 『ふんッ! こんなもんかよッ!』 だがグレンファイヤーはかわそうなどと微塵も考えず、火炎を真正面から受け切った。 そして炎の戦士の彼にダメージを与えられる威力はなかったようだ。 『ヤプールのみじめったらしい置き土産が! とっととケリつけてやるぜぇッ!』 グレンファイヤーは火炎を受け止めながら前進。オイルドリンカーに肉薄して強烈な炎の アッパーを食らわせた! 「キャアアアァァァ!!」 巨体が軽々と空へ吹き飛んだオイルドリンカーは、炎の拳が体内の可燃物に引火、大爆発を起こした。 しかしはるか上空まで飛ばされていたので、工業地に被害はなかった。 『よっとぉッ!』 オイルドリンカーを一蹴したグレンファイヤーは空を飛んで工業地を離れていき、適当な人のいない 場所でグレンウェールズの姿に戻った。 「ふぅ……あいつを見逃してたらハルケギニアにでけぇ被害が出てたとこだった。ったく、ヤプールめ、 消滅したってのにまだこっちを苦しめようとしやがるとは。ほんとに始末が悪い奴だぜ……」 悪態を吐くグレン。先ほどのオイルドリンカーは、ゼロキラーザウルス=巨大ヤプールが 消滅間際に密かに飛ばしていた自身のマイナスエネルギーの結晶が成長して誕生したもの なのであった。しかも地球では名の通りオイルを食らう超獣だったのが、ハルケギニアの 主要エネルギーである火石や風石などを食らう性質に変わっていた。ミラーナイトが、 結晶が浮遊大陸から地上の大陸へと放たれるのに気づいていなかったら、オイルドリンカーが ハルケギニアのエネルギーを奪い尽くしてしまっていたところだった。被害が出る前に 発見できて、本当によかった。 そして勝利したというのに不機嫌そうなグレンである。この時点ではゼロと才人の行方が不明で、 彼らを心配するあまり気が気でない状態が続いていたのだった。オイルドリンカーをいつにもまして 荒々しいやり方で倒したのも、そこが影響していた。 「ミラーナイトの話じゃ、放たれた結晶は二つってことだったな。一つは今のでぶっ飛ばして、残り一つは……」 ミラーナイトはヤプールの結晶の行方もちゃんと確認してくれていた。一つはここゲルマニア、 そしてもう一つは……。 「ガリア王国だったな」 そういうことでグレンがガリア王国に移り、結晶の落下地点と思しきある一地方で調査を 行っていたところ、身長がデコボコの二人娘に出会った。 「あッ、あなたは!」 「おぉー、お前たち。久々じゃねぇか。魔法学院での戦い以来だな」 それはタバサとシルフィード。学院がメンヌヴィルと、超獣軍団の襲撃を受けてからずっと 顔を見ていなかった。何故かコルベールの遺体を実家に持ち帰ったキュルケについていった ということだけは聞いていたが。 今のシルフィードは人間の姿に化けている。そしてシルフィードの正体が風韻竜イルククゥと いうことは秘密のはず。なのだが……。 「タバサも、シルフィードも元気そうじゃねぇか。よかったぜ」 グレンはひと目で、タバサのお付きがシルフィードだと見抜いた。これにより、タバサは シルフィードにきつい視線を向けた。 その視線には、何故彼がそのことを知っているのか、という疑問が非難とともに乗せられていた。 「お、お姉さま! これは、その、違うのね! シルフィからバラした訳じゃないのね! 何て言うか、その……!」 非難の視線から逃れようとするかのように、必死に弁明するシルフィード。その額は冷や汗 だらだらだった。 シルフィードを擁護するように、グレンはカラカラ笑った。 「だーいじょうぶだぜ、タバサ。シルフィードのことは誰にも話したりしてねぇからよ。 こいつと男の約束をしたからな!」 「だから、シルフィは女の子なのね……」 果たしてグレンはいつ、どのようにシルフィードの秘密を知ったのか? それはまたの機会に 語るとしよう。今回の話は、それが主題ではないのだ。 タバサたちと遭遇したグレンは、ともに場末の酒場に入って、食事を取りながら会話することにした。 と言っても、タバサは無口なのでグレンとシルフィードばかり話しているが。 「ふーん。お前たちは今、キュルケんとこに身を寄せてんのか」 「そうなのね。でも戦争が終わったから、もうしばらくして落ち着いたら学院に戻るつもりなのね。 今はお姉さまのお仕事でこっちに来てて、終わったからあの赤毛のお屋敷に戻るとこだったのね」 タバサは例の如く、イザベラから言い渡された任務をこなしたのであった。だが厄介になっている ツェルプストーの屋敷に帰る道中でシルフィードが、お腹すいた、街でご飯食べたいと駄々をこねたので、 仕方なく街にやってきたという経緯であった。 「なるほどねぇ。……しかし、お前たちといると思い出すな、あの時のこと……」 グレンは沈んだ表情を見せた。超獣軍団との戦いで死なせてしまったコルベールのことを思い返したのだ。 「くそッ、悔やんでも悔やみ切れねぇぜ。俺がもっとちゃんとしてりゃあ……」 「あッ、そのことなんだけど……」 シルフィードが何かを言いかけたが、その瞬間タバサが素早くシルフィードの脇腹を小突いた。 「ん? 今何か言ったか?」 「あっ! な、何でもないのね!」 慌ててごまかしたシルフィードは、話題をすり替える。 「そ、それより、グレンはこんなところで何してるの?」 「ああ、実はな……」 グレンがヤプールの結晶の調査の件を話そうとしたその時、店の片隅にいた痩せこけた老婆が タバサの元にすがりつくようにすり寄ってきた。 「ん? どうしたのね?」 シルフィードがそちらに気づくと、老婆はタバサに涙声で訴えた。 「騎士さま! 騎士さまをこれと見込んで、お頼みしたいことがありますのじゃ!」 奥から店主が出てきて、老婆の肩を掴んだ。 「おいばあさん! そういうことは他所でやってくんな! 商売の邪魔だ! 失礼しました騎士さま。 このばあさん、頭が少しアレなんで」 「お前に話しているわけじゃないよ! 黙ってておくれ! ごほ! ごほごほ!」 クソババア……、と、咳き込む老婆に店主が腕を振り上げたのを、グレンが腕を掴んで遮った。 「やめな。お年寄りには優しくするもんだぜ。ほらばあさん、これ飲んで一旦落ち着きな」 グレンが差し出したワインの杯を、老婆はすするように飲んだ。ゆっくりとその呼吸がおさまっていく。 「おお、この婆の頼みを聞いてくれますか……」 「ほっときなせえ! このばあさん、昨日ふらりとやってきたと思ったら、来る客来る客に 同じことを話すんでさ! まったく薄気味悪いったらありゃしねえ!」 店主の言葉をタバサが無視して、老婆を促した。 「話して。なにがあったの」 タバサたちのテーブルで、ドミニクと名乗った老婆はとつとつと自分たちの村、エズレ村に 起こった悲劇を語った。 「ミノタウロス?」 最近、村の近くの洞窟に、ミノタウロスと呼ばれる牛頭の怪物が住み着いた。ミノタウロスは毎月一人、 若い娘を要求しているのだという。要求に応じなければ、村人を皆殺しにすると脅しているとのことで、 老婆はタバサにミノタウロス退治をお願いしたいのであった。 「十年ほど前にも、一度ミノタウロスは住み着いたのです。そのときも、こうして行きずりの 騎士さまにお退治願ったんでございます」 「領主様に訴えな! それが筋ってもんだ!」 「エメルダ様にはもう訴えただよ! だが、多忙を理由に断られちまっただよ! まったく絞るだけ 年貢を絞るくせに、いざとなるとナシのつぶてだわさ! こんなちっぽけな村一つ、どうなっても いいってことだわさ!」 すると店主は、困ったように言葉を返した。 「なんだね、まぁ、気の毒だが……、それがお上ってもんだ。というかなぁ、知ってるだろ? この辺りじゃ最近、質の悪い牛泥棒が流行ってて、酪業に無視できねえ被害が出てんだ。 ミノタウロス退治どころじゃねえんだよ」 「なんだい、わたしらみたいな貧乏人は、黙って娘がとられるのを我慢しろっていうのかえ?」 「いや、そうは言ってねえが……、物事には順番ってものがあるだろうよ」 老婆はそれ以上、店主の言葉に耳を貸さずに、タバサに向き直った。 「重ねてお願い申し上げます。なにとぞ、あの化け物を退治してくだされ。最初に生贄に選ばれたのは、 わたしの孫娘なのでございます……。可愛い可愛い娘なんです。まだ嫁入り前だってのに、この世の 幸せをなに一つ知らんで死ぬなんて、ほんとに可哀想な話じゃありませんかえ」 それを傍から聞いていたグレンが膝を叩いた。 「全くその通りだッ! 安心しな婆さん。ミノタウロス退治は俺がやってやるよ!」 「へ?」 タバサに頼んでいたのにグレンが返事したので、老婆はきょとんとしてしまった。 「なぁーに、自分で言うのも何だが、俺はメイジじゃねぇが百戦錬磨の傭兵よ。怪物牛なんかにゃあ 負けはしねぇぜ!」 「グレン、ミノタウロスはまずいのね。ただの怪物じゃないのよ」 シルフィードが忠告した。ミノタウロスは首をはねてもしばらくは動くことのできる生命力を持ち、 巨大ゴーレム並みの怪力を誇る、恐ろしい怪物だ。おまけにその皮膚は刃や矢弾など受け付けないぐらいに 硬いのである。小型の怪獣と呼んでも差し支えないだろう。 だがそれで怖気づくグレンではない。 「なぁに、素手じゃ敵わんごついやでかいかもしれねぇが、こちとら人間様だい! 知恵比べで 参らせてやるぜ!」 知恵比べからは最も縁遠そうな男がそう言った。 「ミノタウロスは悪知恵も働くのね……」 シルフィードは呆れてため息を吐いた。しかし、グレンが真の力を解放すればミノタウロスなんかに 絶対負けはしないだろう。もっと大きくて力が強い敵と戦う日々なのだから。そのため、そこはあまり 心配していない。 一番心配しているのは……タバサがどう返事するかだ。その肝心のタバサは、老婆にこう 尋ねたのであった。 「どこ?」 ということで、タバサたち三人はミノタウロス退治のためにエズレ村に赴いた。エズレ村は、 なるほど領主が見捨てたのも頷けるような、わずかな畑が広がるばかりの寒村であった。 ミノタウロスは獣の毛皮に血文字で、『次に月が重なる晩、森の洞窟前にジジなる娘を用意するべし』 と要求したという。だがタバサはここで疑問を抱いた。食べるために娘を要求するミノタウロスは、 普通名指しなどしないはずである。実際、十年前の事件の時はただ“若い娘”とだけ書いてあったという。 これは一体? それはともかく、タバサはミノタウロス退治のための作戦を講じた。まずは、相手を見極める 必要がある。そのための策とは……。 「こんなことだと思ったのね」 指定の晩に、洞窟の前にジジと同じ服を着て、同じ色に髪を染められたシルフィードが縛られて 転がされた。彼女を囮にして、ミノタウロスを観察するという算段であった。タバサやグレンでは 体格が違いすぎるので無理だったので、シルフィードにやらせた。 そうして現れたミノタウロスは……かなり奇妙だった。洞窟に住み着いているはずなのに 茂みから現れ、シルフィードをすぐに食らおうとせずに抱え上げてどこかへと連れ去り始めたのだ。 しかも、シルフィードはそのミノタウロスから獣の臭いがせず、代わりに汗の臭いを嗅ぎつけた。 決定的だったのは、首の皮が胴体とつながっておらず、腕に生えた毛が完全に人間のものだったことだ。 ここまで説明すればお分かりだろう。このミノタウロスは本物ではない。大男が、牛の首の 被り物を被っただけのものであった。 にせミノタウロスが向かった先には、五人のならず者がいた。そういうことだったのだ。 ならず者の集団が、エズレ村の過去の事件を利用して人さらいをしようとしていたというのが 真相だったのだ。 「剣を持った人が二人に、銃が二人。槍まで持っちゃってからに……。ミノタウロスの人は 大きな斧なのね。ああ、怖いのね。あう、恐ろしいのね」 シルフィードはさりげなく、いや、わざとらしく、尾行してきているだろうタバサとグレンに ならず者たちの得物を教えた。が……。 「お前……、よく見りゃ、ジジじゃねえな?」 カンテラの明かりで観察されて、シルフィードの変装がばれてしまった。 「こいつなんだか怪しいぜ。おいお前、何者だ? ……領主の手の者じゃねえのか?」 「違うのね」 シルフィードはとぼけたが、ミノタウロス役だったならず者は追及する。 「おい、エズレ村の村長の名前を言ってみろ。お前があの村の者なら、言えるはずだな」 そんなの知らない。シルフィードが窮した、その時! 「うらあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」 「な、何だ!?」 グレンが一気呵成に飛び出してきた! ならず者たちが動揺している隙に、まずは一番危険な 銃持ちの二人に当て身を食らわせて昏倒させる。 「ち、ちくしょう! やっぱ領主の差し金だったんだな!?」 残る三人が武器を構え直したが、その手にタバサの氷の矢が正確に突き刺さり、武器を 落としてしまった。その武器も全てグレンが素早く投げ捨てて、ならず者の手の届かない ところへやった。 「動かないで。次は心臓を狙う」 あっさりと決着はついた。ならず者たちは降参して手を上げる。 「縛り上げて」 「はいなのね!」 シルフィードに巻きつけていたロープで、三人を一まとめに縛り上げた。これで完全に無力化だ。 シルフィードが男たちを問い詰める。 「誰がリーダーか言うのね!」 「私だ」 振り返ると、捕まえたならず者たちとは別の男がこちらに杖を向けていた。メイジの盗賊だ! しかし一流の戦士であるグレンは、その攻撃の気配に既に気づいていた。 「危ねぇッ!」 彼はタバサとシルフィードの手を引き、男の放ったウィンディ・アイシクルから逃れさせた。 「何!? 小癪なッ!」 男は新たに呪文を紡ごうとしたが、その瞬間にグレンは踏み出していた。電光石火の踏み込みで 男との距離を縮める。 「はッ!?」 「おせぇッ!」 グレンは男の反応を許さずに杖を奪い取り、ベキリと力ずくでへし折った。それにより 男は一気に青ざめる。杖を失っては、痩せ気味の彼では屈強な肉体のグレンに敵う訳がない。 グレンは拳をポキポキ鳴らした。 「女相手に後ろから襲いかかろうなんざ、ふてぇ野郎だ。性根叩き直してやるぜ」 「……」 メイジの男はダラダラ脂汗を垂らすと……背中を向けて一目散に暗闇の中へと逃走し出す。 「待てこらぁッ! 逃がすかよ!」 当然すぐに追いかけるグレン。足でも彼に敵うはずがない。すぐにとっ捕まえて、それでこの にせミノタウロス事件はおしまい……。 そう思われたが、事態は意外な方向に進んだ。 「ぎぃやああああああああああああああああ!」 男が暗闇に飛び込んですぐに、男の声が轟いた。悲鳴として。 「ああ!? な、何が起きた?」 さすがに動じるグレン。男に追いつくと、何とメイジの右腕が肩からなくなっていた! メイジの男は激痛と失血で、瞬く間に気絶して倒れ込んだ。その傍らに立っているのは……。 「なッ……!? こいつは……!」 高さは二・五メイルはあるだろうか。丸いボールを繋ぎ合わせたかのような筋肉が身体中に 盛り上がり、見る者を圧倒する。その右手には、子供の大きさほどもある大斧を握り締めていた。 今まさに、メイジの右腕を切り落とした大斧であった。 そして、異様なのはその頭である。 太い角が巻貝のようにねじれながら生えていた。 突き出た口からは涎が垂れ下がる。 鼻と口から吐き出された息が夜風に当たり、白くにごる。 首の上に存在するのは、紛れもなく雄牛のそれであった。 「ミノタウロス! しかも本物だ!」 エズレ村を脅すミノタウロスはならず者の変装だったはずなのに……グレンの目の前に現れたのは、 確かに本物のミノタウロス! さすがに度肝を抜かれたグレンだが、即座に警戒して格闘の構えを取る。 ならず者を全員眠らせてから彼の後に続いてやってきたタバサとシルフィードも絶句した。 タバサは咄嗟に杖を構えて臨戦態勢に入り、シルフィードは震えて立ち尽くした。 突っ立っていたミノタウロスはやおら動きを見せる。グレンとタバサはより緊張で強張ったが…… ミノタウロスは彼らに襲いかかったりせず、何故かメイジの男の腕を拾い上げ、元の肩に押し当てた。 「?」 その行為に呆気にとられるタバサ。ミノタウロスは獰猛な食人の亜人。人間は食い物としか 見ておらず、その行動に一切の慈悲はない。それなのに、このミノタウロスは何をやっているのか? ミノタウロスは腕を肩の切り口に押しつけたまま、喉から野太い声を発した。獣の咆哮ではなく、 れっきとした人の声。だが、どことなくぎこちなかった。ミノタウロスの喉を使って、無理やり 声を絞り出している、そんな感じだった。 「イル・ウォータル……」 しかも出てきた言葉は、確かに人間の使う魔法の呪文だった。 「じゅ、じゅ、呪文?」 面食らうシルフィード。呪文を使うミノタウロスなど、聞いたこともない。 メイジの腕が、みるみるうちに繋がっていく。なんとも見事なヒーリング。ミノタウロスの、 人間の真似事という訳でもなさそうだ。 「こいつをロープで縛りなさい」 ミノタウロスが丁寧な口調で言った。グレンがその通りにすると、タバサがミノタウロスへ尋ねる。 「……あなたは?」 「そうだな。この姿では、わたしが何者なのか気になるだろうな。まあいい、説明しよう。 こっちに来たまえ」 ミノタウロスに促されて、タバサたちは前にシルフィードを寝かせていた洞窟まで戻ってきた。 果たしてこの奇妙なミノタウロスは何者なのだろうか? よく見たら、ミノタウロスの右腕には何故か鼻ぐりが嵌められていた。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔